社長さんを自殺・破産へ追い込む『包括根保証制度』の廃止
法制審議会は8日、・・・省略・・・を野沢太三法相に答申した。
法務省は答申を踏まえ、今秋の臨時国会に法案を提出する予定。主な答申の内容は次の通り。
<民法改正案>経営者が融資を受ける際に、経営者や連帯保証人が将来の借り入れ分も含めて無期限の返済責任を負う「包括根保証制度」を禁止する。(毎日新聞

■このニュースはあまり注目されませんでしたが、
とても重要です。

【自殺率:日本、先進国最多の10位 人口10万人当たり--WHO調べ】

■自殺にはそれぞれ理由があります。 
一番多い理由は経済的な理由だそうです。
借りた金が返せなくて仕方がなく・・・ってやつです。

■長引く不況の影響でしょうか。
法律家などによる適切なアドバイスがなされていれば、自殺という選択肢を選ばなくても済んだのに。
そう思うと残念で仕方がありません。

包括根保証と言われる制度が廃止されるようです。
民法にはこの制度についての規定はなく、日本独特の慣行としてなされている制度です。

■どういうものかというと、



そもそも保証というのは、債務者が債務を返済しえなくなったときに代わりに、保証人となった者が自分の財産から債権者に返済をするという制度です。
通常の保証というのは、債務者の特定の債務を保証することになります。

■例えば、Aさんが大勝軒で食べた「特製もりそば」の代金債務についてBさんが保証人になったとします。
この場合はこの「特製もりそば」の代金債務についてしか保証人は責任を負いません。

■で、包括根保証という制度は、債務者に将来において発生するあらゆる債務(ただし特定の債権者に対して)について保証人が保証しなければならないという、保証人にとってものすごーく過酷な保証制度です。
取引の内容や期間、保証限度額など一切を定めません。(裁判所は限定しようと努力した)

■この場合、Bは、「特製もりそば」の代金債務のみならず、その後Aが食べる「中華そば」や「もりメンマ」や「もりチャーシュー」などの代金債務についての保証債務も負うことになります。
いや、それだけではありません。
Aが大勝軒から建物を買った場合において発生する代金債務についての責任もBは負うことになります。
めっちゃ過酷ですね。

中小企業の場合、
社長さんが包括根保証の保証人になるケースが多いようでした。

■それはなぜかといいますと、中小企業というのは、本来、別々であるはずの会社と社長さんが、一体化してしまっていて、
どれが会社の資産で、どれが社長さんの資産かが外部の者にとってわからない状態になっていることがとても多いんです。
中小企業に融資する金融機関にとってみれば、これでは会社の資産が把握しにくく、そのため債権が焦げ付くのが恐くなって貸し出しがしにくいんですよね。

■そこで金融機関は、
社長さんやその親族に対して包括根保証を要求するようになりました。
でも金融機関には便利な契約だけど、個人の返済責任が際限なく膨らむ恐れがあるんですよね。
しまいにゃ、社長さんは自殺に追い込まれます。
「目玉を売れ、腎臓を売って金を作れ!」など過酷な取り立てで社会問題化した商工ローンでも、包括根保証が用いられていたみたいです。

■で、今回、この包括根保証が廃止される運びとなりました。
めでたし、めでたし・・・
と言いたいところですが、廃止となると、金融機関の猛烈な貸し渋りが起こる可能性が高いんですよね。
「包括根保証ができへんのやったら、もう金を貸さへんで~」と。

■金融機関の気持ちもわからないでもないのですが、
金融機関は会社の中身(企業自身の返済能力や事業の収益力)を見て貸し出し内容を決めるように努力するべきでしょう。

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by asatte_no_houkou | 2004-09-11 13:27 | 社会の時間
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