2011年上半期、私が選ぶ「10大ニュース」はこれだ!!- 大震災、原発、八百長・・・
今年も半分終わりました。そこで2011年上半期で印象に残った10個のニュースについて簡単にコメントしたいと思います。この他、間寛平さんのアースマラソン、携帯を使ったカンニング事件などが印象に残りました。

・東日本大震災
改めて被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げると同時に亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたい。被災地で助かった方々の希望は復興である。早期の復興が望まれる。復興は、市場や政府から自立した相互扶助が成り立つ共同体自治(食やエネルギーを市場や政府などに依存しない共同体自治)の再生に向かわなければならない。なぜなら財政的な制約、グローバル化に伴う資本移動自由化を考えると、政府や市場に依存することはもはやできない以上、地域の絆が個人を支援してくれる社会を作ることが必要となってくるからだ。政府は共同体自治に基づく社会建設に向けた改革をする必要がある。復興の財源として一部に復興増税を主張している人がいるが、とんでもない話だ。景気が落ち込む中で国民にも企業にも増税を強いたらデフレスパイラルどころか日本は奈落の底へ真っ逆さまに落ちてしまう。復興財源は、数十兆円規模の復興国債を発行し日銀に直接引き受けさせることで捻出すればいい。

・福島第一原発事故
未だに収束のめどが立っていない福島第一原発の事故。原発の安全性を唱えてきた「原子力ムラ」の研究者たちは、うつろな目でただただ「想定外」という言葉を繰り返すばかりである。「想定外」であるのは利権を守るためにあえて想定の範囲を狭く設定していたからである。国民の間に当然ながら脱原発の世論が広まっている(自民党の石原幹事長は脱原発世論を「集団ヒステリー」と表現していた)。原発は廃棄物の処理方法が未確定であり、ひとたび事故が起きれば人間や環境に取り返しのつかない害を与える。である以上、コストの面でもリスクの面でも割に合うシステムとはいえず、今後、原発依存の電力供給体制から脱却していかなければならない。そのためには、自然エネルギーの促進をしていく必要があるが、その前提として電力会社を発電部門と送電部門とに分離し、発電については自由化、送電については公共財化をしたうえで、スマートグリッドの整備をするべきである。一部に「発送電の分離はカリフォルニアで起きたような大規模停電に結びつく」との主張があるが間違いである。カリフォルニアでの停電は電力料金に上限を設けていたから生じたものであり自由化が不十分であったことから起きたのである。

・菅首相が再生可能エネルギー法案成立などを条件に退陣表明
菅首相がどうなろうがどうでもいいのだが(退陣が被災地復興にとってプラスになるのなら早期に退陣すべきである)、再生可能エネルギー法案についてはなんとしても成立させてもらいたい。自民党・公明党は政局にうつつをぬかすのではなく成立に協力すべきだ。とはいえ、実のところ、この法案の中身はスカスカである。すでに経産省やその背後にいる経済界によって骨抜きされてしまっている。この法案が規定する固定価格全量買取制度というものは再生可能エネルギーを普及させるために欠かせない制度である。なぜなら、この制度の下では、再生可能エネルギーで発電した場合、決まった価格で必ず電力会社に購入してもらえるため電力会社以外の企業や個人が発電を積極的に行うインセンティブとなるからだ。ところがこの法案。全量か余剰か、価格はいくらかなど多くの部分を政省令に委任している。それゆえ、経産省のさじ加減によっては(政省令は経産省が定める)、再生可能エネルギーの推進につながらない可能性がある。注視が必要である。

・ウィキリークスが日本関連の情報暴露
ウィキリークスが日本関連の米国務省秘密公電を公開した。この中に、日本の官僚が、日本政府の方針に反する、驚くべき行為をしていたことを示す文章があった。なんと、外務官僚や防衛官僚が米国政府に対し情報を密かに提供し、米国政府から日本政府に対し圧力をかけるよう工作を行っていたというのである。例えば防衛省の高見沢防衛政策局長は、米軍基地移設問題に関しアメリカ政府が日本政府に対して柔軟な姿勢を見せたらアメリカ政府のコストがかさむ旨を忠告していた。なにゆえ日本の官僚がアメリカ政府のコストの心配をしなきゃならないのだ! また、外務省の藪中事務次官は、ルース大使に対し、基地移設問題に関して、影響力のあるテレビコメンテーターに働きかければうまく世論を誘導できる旨を進言していた。おまえはどこを向いて仕事しているんだ!民主的な手続きによって選ばれた政治家(大臣)が示す方針に沿って動くのが官僚である。ところが、外務官僚、防衛官僚は大臣の方針を無視しアメリカ政府と内通していたのである。メディアはもっと大々的に報じるべき問題であると思うが、記者クラブ制の影響なのかあまり報じていない。

・大相撲八百長
警察は、賭博の容疑で押収した資料(携帯電話のメール)から得られた犯罪と関係がない八百長の情報を文部科学省やメディアに提供した。これは個人のプライバシーを侵害する人権侵害行為である。メディアはこの点を批判的に検証すべきであるが、どのメディアもそれをしようとしない。警察との関係を気遣う記者クラブメディアの限界と言えるのではないか。その点はさておき、そもそもこの八百長問題は場所を中止にするほどの大問題であったのだろうか。神事としてスタートした相撲に近代スポーツとしての公明正大さを要求することが妥当であるとは思えない。実際、多くの相撲ファンは八百長の存在を知っていたはずだ。それでも相撲を楽しんでいた。たしかにカネや暴力が介在する八百長については許すべきではないと思う。その意味で某親方(連勝記録を作った大横綱)は永久追放にすべきだ。しかし、例えば7勝7敗で負け越しの可能性のある力士に対して負けてあげるみたいなものについては大目に見てあげるぐらいの寛容さがあっていいのではないか。すべてがガチンコだと総合格闘技のように殺伐とした雰囲気となってしまい、相撲独特のほんわかした雰囲気がなくなってしまうと思う。

・NPO法が改正され税制優遇措置が拡大
あまりメディアで報じられていないが、NPO法(及び税制)が改正され寄付税制の優遇が拡大された。NPOが公益的な活動をするうえでこれは画期的な改正だといえる。財政的制約、グローバル化を考えると、今後、政府は小さくならざるをえない(小さな政府)。すると、今後ますます政府がカバーしきれない問題をNPOなどが解決していくことが求められるようになる(新しい公共)。ところが、どのNPOも資金力が乏しく、いかに活動資金を集めるかが課題となっている。これでは十分な活動ができない。とはいえ政府からの補助金に依存するようになると、自立した活動が制約されてしまう。そこで、個人による寄付の拡大が要請される。今回の法改正により個人が認定NPOに寄付をすると税額控除を受けることができるようになった。社会システムというのはインセンティブに働きかけるように作るべきだといわれている。寄付税制の優遇の拡大によりNPOへ寄付するインセンティブが働き、寄付金が増大することが期待できる。

・中東民主化デモ
チュニジアやエジプトで民衆が蜂起し独裁政権が倒れた。その際、利用されたのがツイッターやフェイスブックといったソーシャルネットワークサービス(SNS)である。草の根のSNSのつながりが民主的な連帯と蜂起を可能とした。中東の民主化は素晴らしいことである。この流れが他の国へも広がることを期待したい。一方で憂慮すべき側面もある。ナショナリスティックな世論が高まって、対イスラエルで強硬になるおそれがあるのではないか。そうなれば中東は不安定となる。ひいてはグローバル経済の安寧が脅かされる。

・ビン・ラディン殺害
アメリカという国は、容疑者に過ぎない人間を訴訟手続きを経ずに殺害する野蛮人の国であることが明らかになった。公判手続きの過程でオサマ・ビン・ラディンに過去のアメリカとのいきさつについて発言されることを恐れて殺害したのであろう。今後、報復テロが頻発するのではないかという観測があるが、他方でテロよりもSNSなどを用いた言論活動により活動したほうがいいのではないかという雰囲気が若者の間に広がりつつあるという。昨今の中東民主化の動きはその一環である。

・ダウンタウンとナインティナインが競演
ダウンタウンとナインティナイン。日本のお笑い界を代表する両巨頭が14年ぶりに競演を果たした。お笑い界、いや芸能界全体を揺るがす歴史的な出来事といっても過言ではないだろう。ちょっとした行き違いから両者の競演はタブーとされてきた。同じ事務所の先輩・後輩であるにもかかわらず競演がタブーであったとは不幸なことだ。ナイナイの二人(特に岡村さん)は素人時代からダウンタウンの影響をたぶんに受けているという。ナイナイにとってダウンタウンは憧れの存在であった。それならば、タブーとされたことはなおさら不幸なことだ。今回の競演をきっかけにして、継続的に両者が競演することを期待したい。「ガキの使い」の七変化に岡村さんが出演するというのはどうだろう。「すべらない話」に出演するというのも面白い。想像するだけでもワクワクする。

・小沢秘書裁判、検察の証拠請求却下
検察が証拠調べの請求をしたほとんどの供述調書が却下されるという事態になった。事件の実態を知る者にとっては予想通りの展開といえる。この供述調書は、検察の有罪立証の重要な部分を占めている。これが却下されたということは、要するに小沢氏の秘書3人は無罪になる可能性が極めて高くなったということだ。東京地裁は「(検事は)心理的圧迫と利益誘導を織り交ぜながら巧妙に供述を誘導した」と断じた。検察は、違法な捜査手法を用いて人権侵害を行い自白を誘導していたということである。「特捜よ、恥を知れ!」と言いたい。もう、特捜は解体したほうがいいかもしれない。エリート、ホワイトカラー犯罪の捜査については、検察の外側に広域の捜査可能性を持った組織を作り、それに委ねればいいであろう。

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by asatte_no_houkou | 2011-07-13 01:54 | ニュースまとめ
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