【アノミー】『猫殺し』は日本崩壊の前兆
a0029616_220861.jpg

■asahi.comに小室直樹先生のインタビューが載っています。
興味がある人は読んでみてください。
小室節が炸裂です。オススメ。

資本主義国になれないニッポン 前編
資本主義国になれないニッポン 後編

■小室直樹先生と言えば、ソ連崩壊の数年前に『ソビエト帝国の崩壊』と言う本を書いて、ソ連の崩壊を的確に言い当てたことで有名ですね。

■ところで、こういう話があります。
小室先生がソ連の町を歩いていたとき、目をえぐられたり、耳を切られた猫をよく見かけたそうなんです。
かわいそうに。
おそらく人の手によってなされたのでしょう。

■このとき、小室先生はソ連にアノミーが蔓延していることを実感したそうです。
アノミーとは無連帯の状態のことを言うのですが、小室先生はこのアノミー論を主に用いソ連崩壊を言い当てました。

■昨日、こういう事件が起きました。



Excite エキサイト : 社会ニュース
 18日午前9時半ごろ、大阪府池田市綾羽2丁目の五月山公園で、ハイキング中の人から「猫の死骸(しがい)があったので、処理してほしい」と清掃中の公園職員に届け出があった。職員が確認したところ、合計17匹の猫の死骸が見つかった。
 池田市によると、猫は公園の簡易トイレ付近やハイキングコースの脇で、3、4匹ごとにまとまって見つかった。死骸の周辺に血痕がないため、同市は何者かが毒物などを飲ませて殺した可能性が高いとみている。死骸は焼却処分した。
 市から連絡を受けた府警池田署は、器物損壊と動物愛護法違反の疑いで捜査する。

■日本でもかつてのソ連と同じく猫がひどい目に合っています。
そういや、前に、猫を殺す模様をホームページに載せていた人が逮捕されましたね。

■日本もかつてのソ連と同じくアノミーが蔓延しているのでしょう。
このままでは日本もソ連のように崩壊してしまいそうです。

■以下はアノミー論の簡単な説明です。
小室直樹著『日本国民に告ぐ』(ザ・マサダ)と言う本から引用しました。


アノミー(anomie)とは何か。
「無規範」と訳されることもあるが、それよりも広く「無連帯」のことである。・・・省略・・・

アノミー概念を発見したのは「社会学の始祖」E・デュルケム(フランス人、1858~1917年)である。デュルケムがアノミー現象を発見したのは、自殺の研究を通じてであった。彼は、生活水準が急激に向上(劇落の場合だけではない)した場合にも自殺率が増加することを発見した。

なぜか。生活水準が急上昇すれば、それまで付き合っていた人たちとの連帯が立たれる。他方、上流社会の仲間入りを果たすのも容易ではない。成り上がりと烙印を押され、容易には、付き合ってくれない。かくして、どこにも所属できず、無連帯となる。連帯を失ったことで、狂的となり、ついには自殺する。

これがアノミー論の概略。このように生活環境の激変から発生するアノミーを「単純アノミー」と呼ぶ。その心的効果は「自分の居場所を見出せない」ことにもある。どうしてよいか途方にくれる。そして正常な人間が狂的以上に狂的となる。

アノミーには、この単純アノミーのほかに「急性アノミー」と呼ばれる概念がある。これは、信じきってきた人に裏切られたたり、信奉していた教義が否定されたときに発生するアノミーである。

急性アノミーが発生すれば、人間は冷静な判断ができなくなる。茫然自失。正常な人間が狂者よりもはるかに狂的となる。社会のルールが失われ、無規範となり、合理的意思決定ができなくなる。

精神分析学者のフロイトは、急性アノミー現象を、軍隊の上下関係の中に発見した、どんな激戦・苦戦に陥っても、指揮官が泰然としていれば、部下の兵隊はよく眠り、よく戦う。厳正な軍規が保持され、精強な部隊であり続ける。しかし、指揮官が慌てふためいたらどうなるか。急性アノミー現象が発生し、部隊は迷走。あっという間に崩壊する。

ヒトラーはこれをローマ教会に見た。ローマ・カトリックは、なぜ1500年以上も世界最大の宗派たりえるのか。それは、ローマ教会が絶対に教義の過ちを認めないからである。これが世界最大の教団でありえた理由であるとヒトラーは説明する。

かくて、急性アノミー理論は、別名「ヒトラー・フロイトの定理」とも言う。この定理を換言すれば、こうなる。カリスマの保持者は絶対にカリスマを手放してはならない。傷つけてもならない。もしカリスマが傷つけば、集団に絶大な影響が及ぶ。もしカリスマを失えば、集団は崩壊する。筆者が、フルシチョフによるスターリン批判を踏まえ、昭和55年(1980年)、「ソビエト帝国の崩壊」(光文社)を著したのも、実は「急性アノミー理論」によるのである。


人気blogランキングへ
[PR]
by asatte_no_houkou | 2005-02-19 02:12 | 犯罪・刑罰・裁判
<< 死刑制度についての私の率直な考え 『憲法9条をめぐる各政党の主な... >>