【治療共同体】性犯罪者の再犯を防ぐ手立て
a0029616_2027820.jpg
■幼い女の子を対象とした性犯罪が頻発している。
何らかの対策が必要である。

■その一つとして一般に言われているのが、出所後の住所情報を地域住民に詳らかにするということ。
アメリカにおける 「ミーガン法(メーガン法)」のようなものだ。

■私は、日本にこれを導入することに反対である。




■個人主義的な考え(個人にあらゆる価値の根源があるという考え方)が伝統的にある欧米ですらうまく機能していない。
リンチなどが多く行われていると聞く。

■日本ではムラ社会的な考え方(ムラ社会では、共同体の内部の者に同調圧力がかかる)が未だ蔓延っている。
例えばアーレフ(オウム真理教)信者の転居問題。
地域住民が過剰な反応を見せる。
欧米ですら機能していないものが日本でうまくいくはずがない。

■とするならば、いかなる対策を採るべきか。
例えば、薬物療法。
薬を飲ませて性欲を抑える。
最も効果的だ。
ただし重大な人権侵害をもたらす。
薬物療法は最早どうしようもない場合の最終的な手段であるべきだ。

■ではそこに行くまでの前段階の有効な手立てがあるのか。
あった。
新聞に載ってた。
「治療共同体」という方法だ。

同じ問題を持つ人たちがともに生活しながら、グループミーティングなどを繰り返し、自分のどこに性犯罪の原因があるのかを明らかにして問題の克服を目指す「治療共同体」と呼ばれる構想が注目されている。
ドイツの刑務所で性犯罪者らを集めて実践されている「社会治療」などはこの考え方を基礎としている。

性犯罪には家庭環境に恵まれず、小さいころに虐待を受けた人が多い、人格的には反社会的なタイプというよりは、むしろ非社会的なタイプで普段は内気でおとなしい。「社会が自分を拒否したから、その仕返しに弱い子供を狙った」という人もいる。

日本の性犯罪者処遇は、贖罪教育の一環として、被害者のダメージがいかに大きいかを伝達することを主たる目的としているが、他者を尊重するためには彼ら自身が自尊意識を回復し、相手の存在を認めることが出発点である。(石塚伸一教授)


■「非社会的」とは、社会学者の宮台真司先生がよく使う言葉である「脱社会性」と同義であろう。
「脱社会性」とは、社会的コミュニケーションの内部を生きないことである。

■人は他人から「承認」(認められるということ)をされて自尊心や尊厳を獲得する。
「承認」により自尊心や尊厳を獲得した人は、自分が自分であることにとって、他人や社会の存在は明らかな前提となるので、例えば「なぜ人を殺してはいけないのか?」などという疑問を抱くことはない。

■ところが他人からの承認の経験がない者は、他人や社会の存在から離脱しようとする。
「他人?社会?そんなの俺には関係ネーヨ。」
つまり「脱社会」である。

■さて「治療共同体」であるが、このシステムは、社会から離脱した者を社会の内部に引き戻す機能を果たしてくれるのではないだろうか。
社会の内部に居てはじめて他者の存在を認識するようになる。
そして、自分が犯した罪を償うという意識を持つことができるようになる。

■「治療共同体」を導入するべきである。
再び無辜の市民の被害を出さないために。

人気blogランキングへ
[PR]
by asatte_no_houkou | 2005-03-09 20:36 | 犯罪・刑罰・裁判
<< 明らかに憲法違反である『人権擁... 『カップルが長続きしなくなった... >>