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【イラン大統領選挙】保守強硬派がなぜ勝利したのか
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■イラン情勢が緊迫化してきました。
先月6月24日に投票が行われたイラン大統領選挙。
保守強硬派のアフマディネジャド氏が勝利しました。

■アフマディネジャド氏(名前が長いので以下は、ア氏とおもいっきり短く略します)の当選。
一部勢力に富が独占されていることへの不満が背景にあるといわれています。
どういうことか。



■イランの貧富の差はものすごい。
日本で最近、「勝ち組と負け組が二極分化されてきている」と言われていますね。
もちろん私は負け組です。
でもイランに比べたらマシ。

■イランでは、ほんのほんの一部の特権階層だけが利権の大半を支配しているんです。
一方、大半の者は明日の食い物にも困る状態。
おなかペコペコ。
貧困に苦しむ低所得者層が現状を変えたいと思い、ア氏へ投票するのは理解できる話です。

■だけど私は、ア氏当選の根本的な原因は、貧富の差への不満ではないと考えています。
じゃあ何か。
おそらくハタミ大統領の行った西洋的な改革への不満が原因ではないでしょうか。
だって、イスラム教と近代化は両立しないんですもん。

■イスラム教ってのは、キリスト教などと同じく啓典宗教(神との契約に基づく宗教)です。
イスラム教の啓典(契約書)はコーラン(他にトーラーなど)。
このコーラン。
最初っから最後まで規範(戒律)ばっかり。
イスラム教徒の外面的な行動を規律する規範のオンパレードです。

■この規範を基礎とするのがイスラム法。
イスラム教社会では、啓典であるコーランが法源(法律の源)になるのですね。
宗教と法律が一致!

■イスラム教の教義とは何か。
それはコーランを法源とする法律によって、人々の行動をことごとく雁字搦めに制御しつくすことにあるんです。


■この教義と西洋的な改革すなわち近代化とは衝突してしまう。
ごっつんこ。
イスラム教徒、特にイスラム原理主義者(「イスラムの根本法を守れ!」と主張している人々)にとっては、社会の近代化は許すべからざることなのです。

■イラン革命(ホメイニ革命)の原点に立ち戻ることを主張するア氏の当選。
これは多くのイスラム教徒が持つ近代化への不満が根本的な原因ではないでしょうか。

■ところで、7月3日放送の「サンデープロジェクト」で青山繁晴氏が驚愕の情報を話していました。
な、なんと、イスラエルがイラン空爆の準備をし始めているとのこと。
そういや、アルジャジーラでスコット・リッター氏が「イラン戦争はもう既に始まっている」と発言しているし・・・(詳しくはここ

■何だかきな臭くなってきました。
日本はまたアメリカに無理難題を押し付けられるのだろうか。
日本は今のうちにアメリカの無茶な要求に抗する手立てを講じておくべきでしょう。

【オススメ本】
日本人のためのイスラム原論
小室 直樹 / 集英社インターナショナル
スコア選択: ★★★★★

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by asatte_no_houkou | 2005-07-08 01:21 | 国際社会を生き抜く
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