■これは難しい問題ですね。 ニュースなどを見ていると、ガザ地区は「ユダヤ人入植地」と言われていますよね。 そうなんです。 ガザ地区は第三次中東戦争のときにイスラエル軍が占領をした土地です。 パレスチナ人から武力を使って奪い取った土地なんです。 ■だとすると、「ユダヤ人入植者のガザ地区撤退は当然じゃん!!」てな感じになります。 でも、そうは単純な話ではない。 だってパレスチナの土地(カナンの地)は「約束の地」だから。 パレスチナの土地は、神からユダヤ人に与えられた土地なのです。 ■ユダヤ人の聖典は旧約聖書。 その旧約聖書にはこう書いてある。 「わたしはエジプトの川からユーフラテス川までの地を汝の子孫に与える」と。 ■汝とは、アブラハムのこと。 アブラハムの子孫は、ユダヤ人。 ですから、エジプトの川からユーフラテス川までの地は、神からユダヤ人に与えられた土地なんです(アラブ人もアブラハムの子孫ではあるが、土地を与えられたのはイサクの子孫であるユダヤ人)。 ■ユダヤ教は、啓典宗教です。 啓典宗教とは、神との契約の宗教ということ。 神との契約は絶対的。 絶対に守らなければならない。 である以上、ユダヤ人はガザ地区撤退を受け入れられない。 「約束の地」からの撤退は受け入れられない。 絶対に。 ■一方、神はアラブ人には土地を与えなかった。 旧約聖書にも、コーランにも「イシュマエルの子孫(アラブ人)に土地を与える」とは書いていない。 書いてあるのは、ユダヤ人にカナンの地を与えるということだけ。 となるとガザ地区はユダヤ人の土地ということになる。 出て行くべきは、アラブ人ってことになる。 ■「そんなの納得できるか!」 とアラブ人は思うだろうが、イスラム教徒にとっても旧約聖書は聖典の一部である(ただしコーランが旧約聖書の最終的解釈の書)。 である以上、アラブ人も旧約聖書を守らなければならないはず。 やはり出て行くべきは、アラブ人ってことになる。 旧約聖書に忠実であれば、そうなってしまう。 ■でも、そうは問屋は卸さない。 パレスチナ人はずっと何百年もパレスチナの地に住んでいたのである。 そこに突然にユダヤ人がやってきて「お前ら出て行け!ここは俺たちの土地だ!」と言われても困ります。 出て行けば、生活ができなくなる。 受け入れられない。 まったくもって、もっともな話です。 僕がもしパレスチナ人だったとしても断固として拒否するでしょう。 ■じゃあどうすればいいか。 これが難しい。 難しいから、いつまでたっても解決できない。 宗教オンチの日本人は「仲良くすればいいじゃん」とか「話し合いをすればいいじゃん」と暢気なことを言うのでしょう。 しかしそんな簡単な話ではないのです。 もちろん、話し合いで仲良く解決できるのであれば、こんな素晴らしいことはないのですが・・・ この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
by asatte_no_houkou
| 2005-08-19 03:09
| 国際社会を生き抜く
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