■年内にアメリカ産(正確にはアメリカ・カナダ産)牛肉の輸入を再開するそうだ。 ニュースを見ていると、20歳代後半ぐらいの兄ちゃんが 「え?輸入再開されるんすか!また牛丼が食べれますね。え?そりゃ嬉しいっすよ」 と、アホみたいな顔をしてハシャいでいた。 ■今年の4月、日本国内初の変異型ヤコブ病患者が確認された。 狂牛病(BSE)に由来する病だ。 50代の男性で、牛のBSEが大流行していた1989年にイギリスに1カ月間滞在したという。 ■この変異型ヤコブ病。 人類にとって最も悲惨な病気だそうだ。 働き盛りの人や青年が突然記憶障害に見舞われ、急速に痴呆が進む。 そして、人生を振り返る猶予も与えられままに死に至る。 ■2003年12月、アメリカで狂牛病に侵された牛が発見された。 日本は即時にアメリカ産の牛肉の輸入を全面的に禁止した。 政府は国民の生命身体財産を守ることを責務とする以上、当然の措置である。 ■しかし、経済制裁をちらつかせる米国の異常とも言える圧力に屈した日本政府は、今回、輸入の再開を決断したようだ。 未だ明確な科学的根拠に基づいて、その安全性が確認されたわけではないのに・・・ ■今回、プリオン専門調査会が、答申案をまとめた。 答申案は、米国・カナダのBSEリスク(危険性)を、日本と比較した場合、科学的に同等かどうか「評価することは困難」とした。 ■そりゃそうだ。 全頭検査を実施し正確なデータが揃っている日本に比べて、アメリカ・カナダのデータは質・量ともに不明な点が多い。 加えて、アメリカ側が輸入条件をきちんと順守するという仮定を前提にした科学的判断など困難である。 ■答申案は輸入条件として二つのことを挙げている。 ①生後20カ月以下の牛であること。 【①生後20カ月以下の牛であること】 ■アメリカでは、牛の月齢を出生証明書や肉質から確認するという手法を採用している。 しかし出生証明書を得ている牛は全体の約10パーセントに過ぎない。 しかも肉質からの判別についても、その体制が整っている所は全体の約10パーセントに過ぎない。 つまり約80パーセントの牛は月齢の確認ができないのである。 ■しかもそもそも生後20カ月以下の牛あれば安全であるとの科学的根拠はない。 今まで偶然に狂牛病に感染した生後20カ月以下の牛が発見されていないだけなのだ。 ■たまたまこれまで感染が確認された一番若い牛が月齢21ヶ月だからといって、この先20ヶ月以下の感染牛が出ないなんて誰も予想できるはずがない。 検査の精度が上がれば、生後20カ月以下であっても狂牛病に感染された牛が発見される可能性が高いのである。 【②全頭からの特定危険部位の除去されていること】 ■危険部位を取り除く作業を行う際、かなり慎重に行わないと、病原体が他の部位に付着してしまう危険性があるらしい。 しかし、アメリカの食肉工場では多量の牛を流れ作業的に取り扱っているため、とてもいい加減な除去作業が行なわれているようなのだ。 ■除去を監視する検査官の組合幹部が、特定危険部位が除去されないケースが多いことを内部告発している。 にもかかわらず、アメリカの食肉工場では特定危険部位の除去は、全く政府のチェックを受けていない。 これでは全く信頼できない。 【アメリカ産牛肉】拙速な輸入再開に反対する ― その2 へつづく この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
by asatte_no_houkou
| 2005-11-05 14:43
| BSE(狂牛病)問題
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