私が考える『日本国憲法改正私案』 ― 第三章 基本的人権(10条から21条まで)
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社会の状況の変化によって、日本国憲法が制定された当時には想像もされなかったような問題が数多く発生しています。
その結果、環境権、プライバシー権、知る権利などなど、「新しい人権」を確立する必要性が叫ばれるようになりました。

■そこで憲法学では、憲法13条の包括的基本権を根拠にしてこれらの「新しい人権」を保障するように努めました。
しかし解釈によって曖昧なままに人権を保障するということは邪道であって、できるだけ避けるべきだと思います。

■憲法は国の姿とあり方を決める根幹となるものです。
だとすれば、国民が憲法を見たとき、一目で内容を理解できるよう簡潔かつ明解であるべきではないでしょうか。

■まずは現行の日本国憲法第三章「基本的人権」(10条から21条まで)をご覧ください。



第十条【日本国民の要件】
 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
第十一条【基本的人権の享有と性質】
 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第十二条【自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任】
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第十三条【個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重】
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第十四条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】
1 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。
第十五条【公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障】
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
第十六条【請願権】
 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
第十七条【国及び公共団体の賠償責任】
 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
第十八条【奴隷的拘束及び苦役からの自由】
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
第十九条【思想及び良心の自由】
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第二十条【信教の自由、国の宗教活動の禁止】
1 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
第二十一条【集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密】
1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

■次は、私が考える『日本国憲法改正私案』 第三章「基本的人権」10条から21条の2をご覧ください。
改正した箇所に下線を引きました。
第三章 基本的人権

第十条 日本国民たる要件は、法律で定める。

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、人権相互の矛盾・衝突を調整する実質的衡平の原理(以下、公共の福祉とする)による制限を受ける。

第十三条 すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第十三条の二 未成年者も基本的人権を享有する。但し、年齢及び成熟度に従って相応の制限を受ける。

第十三条の三 外国人(日本に在住する日本国籍を有しない者)も基本的人権を享有する。但し、性質上、日本国民にしか保障されない権利はこの限りでない。

第十四条 すべて国民は、法の適用及び法の内容において平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第十五条 公務員を選定し、罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべての選挙における投票の秘密は、侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第十六条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第十七条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第十九条 思想及び良心の自由を侵してはならない。

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由及び知る権利を保障する。
3 すべて国民は、法律の定めるところにより、国及び公共団体などに対し、情報の公開を請求できる。 但し、それがために、公共の福祉を害することがあってはならない。
2 検閲をしてはならない。

第二十一条の二 何人も、名誉、信用その他人格を不当に侵害されない権利を保障される。但し、公人については公共の福祉のために必要な限度で権利を制限される。
2 何人も、自己の私事をみだりに干渉されない権利を有する。但し、公人については公共の福祉のために必要な限度で私事の秘匿は制限される。

3 通信の秘密を侵してはならない。


【簡単な説明】

現行の憲法には「これを定める」(10条)とか「これを侵してはならない」(19条)などの表現があります。
この「これ」「Which」をそのまま「これ」と直訳したからだと言われています。
なので日本語としてとても変。
そこで「これ」を全て削除したいと思います。

■12条
近代において「公共」とは、共同性ではなく共生条件の維持の意味です。
ですので「公共の福祉」とは、人権と人権が衝突した場合にそれを調整する原理だと考えるべきです。
この点をきちんと明文化して、文言の意味を明確化するべきでしょう。

■13条の2
人権は、人が人たるが故に保障される権利ですので、未成年者も当然に人権を享有します。
しかし未成年者は成年者と違って、心身ともに発達段階にあって成熟した判断をすることが出来ません。
ですので、もし成年者と全く同一に考えると、かえって未成年者に不利益となる場合があります。
従いまして、成年者とは異なる、パターナリスティック(国親思想的)な観点からの制約を受けます。

■13条の3
人権は、人が人たるが故に保障される権利ですので、外国人も当然に人権を享有します。
しかし外国人と日本国との関係は、日本人と日本国との関係とは異なり、一時的な場所的関係に過ぎません。
ですので、主権国家の併存という現状においては、外国人には日本人と同程度には人権が保障されません。

■14条
法の適用のみならず法の内容の点においても平等を保障しなければ、平等の目的を達成できません。
ですので、法内容の面でも平等であるという点を明記するべきです。

■21条
情報の受け手に分化・固定化されている国民の表現の自由を実質化するために、知る権利ならびにその積極的権利の側面である政府情報開示請求権を保障します。

■21条の2
個人の尊厳を確保するために、名誉権などの人格権、プライバシー権を保障します。

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by asatte_no_houkou | 2005-11-26 00:45 | 日本国憲法を考えよう
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