【福島章】「凶悪犯罪者の脳には、微細な器質性異常所見がみられる」
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■11月27日放送「たかじんのそこまで言って委員会」に、福島章氏(上智大学名誉教授)が出演していた。
福島氏は犯罪心理学の権威である。

■彼の主張は「凶悪犯罪者の脳には、微細な器質性異常所見がみられる」というものだ。
福島氏の話によれば、MRIにより検査をすれば凶悪犯罪を犯しやすいタイプの人間であるか否かの判断が、ある程度できるそうだ。




■正直恐ろしい気もする。
しかし、もしこの見解が正当なものであるならば、犯罪被害を未然に防ぐ画期的なことなのかもしれない。

■MRI検査の結果「凶悪犯罪を犯しやすい脳」と判定された場合、(人権に十分に配慮しつつ)強制的に治療を施せば、本人の人生にとっても大変に良いことだし、社会にとっても大変に良いことだ。
福島氏によれば、薬物投与などの簡単な治療を施せば、ある程度改善の余地があるらしい。

■福島氏のこの見解に対して、以前、てっちゃん(宮崎哲弥氏)はこのような感想を述べていた。
福島章の微細脳障害の犯罪要因説に、私は納得していない。
福島が根拠としてあげているデータだけでは、因果関係はおろか相関関係の推定すら困難だからだ。但し、私は、犯罪心理機制に対する生物学的アプローチを否定するものではない。脳科学や行動遺伝学の進歩によって、やがて犯罪の支配的要因を特定できるかもしれないと期待している。ただ、現時点におけるエヴィデンスの不備は無視できない。(『諸君』2005年8月号)

例えば、不十分ながら脳科学的アプローチの重要性が示唆され、さらには行動遺伝学が「生まれつき」の謎に挑みつつある。いまだに「心の闇」を詮索するのは、遅れたメディアだけ。(『週刊文春』)

■福島氏の見解は、現段階ではその正当性に不十分な点があるようだ。
今後の研究に期待したい。

■てっちゃん(宮崎哲弥氏)は、同番組で、
少女が母親に毒を盛っていた事件に関しては、社会的問題には還元できない脳の何かしらの器質的問題だと思う。
と述べていた。

■事件前、事件後における彼女の異常の振る舞い
例えば、誰かが手拍子をすると、恍惚の表情を浮かべながら突然に踊りだしたり、取調べ中に多重人格者的な行動に出たり・・・

■これらの行動から、彼女の脳に器質的障害が生じている可能性が高いと推測することできる。
これから行われるという精神鑑定により、この点は明らかになるであろう。
(脳の検査まで行われるのだろうか?)

■脳の障害(「凶悪犯罪を犯しやすい脳」という意味での障害)は、先天的な原因のみならず後天的な環境などの要因により生じることもあるようだ。
社会学者の宮台真司氏
実はスキンシップの欠落した子供は、サイレントベビーになるだけでなく、愛着性行為障害と呼ばれる重度の障害に陥りやすいのです。磁気スキャンをするとそういう子供の脳は多くの場合、倫理的判断を司る前頭葉と感情機能を司る左側頭部に発達異常が見られます。そういう子は治療に際してカウンセリングの有効性が認められず、薬物しか打つ手がありません。
精神科医の一部は、重度行為障害は脳に異常があるから家庭環境や学校環境を問題にするのかおかしいなどと言いますが、逆です。乳幼児期に「コミュニケーションを通じた承認」が不足すると、「コミュニケーションを通じた達成」を当てにしない「脱社会的」な人格が、そして脳が、育ち上がる可能性が高いのです。(宮台真司著『これが答えだ』朝日文庫)
と述べている。

■脳科学者の澤口俊之氏
人間は生物の中でも未熟に生まれてくるが、その中でも日本人をはじめとするモンゴロイドは他の人種に比べても未熟なまま生まれてくるので、時間をかけて成長させる必要がある。そのためには親が手を掛けて育てる必要があり、そうしなければ本来育つべき前頭連合野(前頭葉)が未発達となり、社会的な行動、公共的な振る舞いが出来なくなる。(八木秀次著『反人権宣言』ちくま新書)
と述べている。

■母親に毒(タリウム)を盛った静岡の女子高生の場合、どうであったのかよくわからない。
もしかしたら先天的な器質性障害があったのかもしれないし、スキンシップの欠落により脳の未発達が生じているのかもしれない

■ただ、ここでわかるのは、先天的に「凶悪犯罪を犯しやすい脳」ではなくても、乳幼児期の環境により「凶悪犯罪を犯しやすい脳」になる可能性もあるということだ。

■昨今、少年犯罪の増加を防ぐために教育基本法を改正するべきだとの議論が行われている。
教育基本法の改正に特に私は反対する気はないが(内容にもよるが・・・)、まずその前にこういった問題をきちんと論議してもらいたい。

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by asatte_no_houkou | 2005-12-09 14:30 | 犯罪・刑罰・裁判
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