【米国産牛肉】誰が責任を取るのか―「私の頭の中の消しゴム」

「私の頭の中の消しゴム」という映画をご存知でしょうか?
永作博美主演の「Pure Soul ~君が僕を忘れても~」という読売テレビ製作のテレビドラマを原作にした作品で、今年最も日本でヒットした韓国映画です。
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記憶が残っているこの短い間にどうしたら私の気持ちを伝えることができるでしょう。
私はあなた、チェ・チョルスだけを愛しています。
これだけは忘れたくない。忘れちゃいけないのに。
私の記憶を奪っていくこの病気が、あなたの記憶だけは残してくれますように。
それが叶わないなら、どうか消えていく記憶の中で最後まで残っているのが、あなたと過ごした日々でありますように。

■結婚をし、幸せな人生を送る主人公の女性スジン。
しかしその幸せは長くは続きませんでした。
27歳にして、アルツハイマーに罹患してしまうのです(若年性アルツハイマー)。

「肉体的な死より精神的な死が先に訪れる病」
徐々に、愛する夫や家族と過ごした時間や想い出の記憶を、すべて失っていく・・・
涙なしでは見ることが出来ない、感動的な作品です。

■今後、日本において、この女性のような悲劇に見舞われる方が増えることでしょう。
なぜか。
それは、アメリカ・カナダ産牛肉の輸入が再開されたからです。




■12日、日本政府はアメリカ・カナダ産牛肉の輸入の再開を正式決定しました。
もしかしたら多くの方は、「アメリカ産牛肉の安全性が確認されたから輸入が再開されたんだ」とお考えなのでしょう。
ニュースを見ていますと、インタビューに答える若い女性の方が「輸入が再開されたということは、安全性が確認されたと言うことですよね」と答えていました。

■しかし実のところ、安全性の確認なんて全くされていません。
検証困難な、しかも不十分な条件を前提として、「日本産牛肉とのリスクの差はない」との判断がされただけです。
12月7日内閣府の食品安全委員会が
「アメリカ産牛肉と日本産牛肉とのBSEの危険性の差は非常に小さい」
との答申を出した。
ただし、この答申は
1、生後20ヶ月以下の牛に限る
2、特定危険部位をすべて除去する
これらの条件をアメリカが守ることが前提。(「生後20ヶ月以下」との線引きには多くの識者が疑問を呈している)
しかし
1.牛の月齢の判定
⇒大規模な放牧による自然交配のために「出生記録」がない。
⇒月齢は肉や骨を目で見て判断している。

2.危険部位の除去
⇒アメリカ農務省調査によると、施設の洗浄不足や不十分な切除など、去年1月から5月まで1036件の違反が発覚している。
日本の農水省はアメリカの食肉施設の査察を予定しているが、調査が終わるのは来年の春。
食品安全ネットワークの米虫節夫会長の話
危険部位を完全に取り除けばいいことになっているが、食品安全ネットワークでアメリカの食肉解体工場へ見学に行ったが、1日に6000頭近くも解体している所で数秒間に1頭ずつ牛が殺されていく。
このときに、今、言われている処置が確実に出来るかどうかと言うことに対してかなりの疑問を持つ。アメリカから入ってきた牛肉は正常なものではない、きれいな牛肉ではないという認識の上でアメリカの牛肉を食べることになるであろう。
(12月12日放送 ABCテレビ「ムーブ」より)

■私たちは、知らない間に狂牛病に侵された牛肉を食べさせられることになるのでしょう。
そしてアルツハイマーのように、記憶が徐々に失われていき「肉体的な死より精神的な死が先に訪れる病」であるヤコブ病にかかるのでしょう。

■なぜなら、加工食品の大半は産地の表示が義務付けられていないからです。
1.精肉(切り身の生肉)
2.牛肉だけのひき肉
これらの場合は、日本農林規格(JAS法)で、原産地(国)の表示が義務づけられている。
しかし加工食品の大半は表示義務はない。
缶詰・冷凍・レトルト⇒表示義務なし
スーパーなどのお惣菜⇒加熱調理したものは表示義務なし
レストランなどの外食店の牛肉料理⇒JAS法の対象外
他にも、こんな食品に「牛肉」が使われている。(これらは特に危険部位に近いところの物質が使用される)
カップラーメン、お菓子・・・⇒牛肉エキス
ヨーグルト、マーガリン・・・⇒ゼラチン
(12月12日放送 ABCテレビ「ムーブ」より)

■狂牛病に犯された牛肉を食べた人がヤコブ病になるのは、およそ10年ぐらい先だそうです。
おそらくその頃には、厚生労働省や農林水産省のお偉いさん達はもう退職されているのでしょう。
当然、小泉さんは首相を辞めています。

■彼らは責任を負いません。
私たちがヤコブ病に侵され、愛する人と過ごした時間や思い出の記憶を失い、そして死ぬに至ったとしても、彼らは責任を負いません。

【追記】
「牛」由来の原材料(例えばゼラチンなど)を使用していると思われる食品(例えばヨーグルトなど)を口にする際、予め「お客様相談室」に電話して、どこの産地の牛を使用しているのか確かめてみることをオススメします。
そうすることが、自分がヤコブ病に発症するリスクを低減させることになるだけでなく、業者が自主的に産地表示をするよう促すことなるのです。

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【アメリカ産牛肉】拙速な輸入再開に反対する ― その1
【アメリカ産牛肉】拙速な輸入再開に反対する ― その2

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by asatte_no_houkou | 2005-12-14 03:51 | BSE(狂牛病)問題
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