「保守」って、なんだろう? - 変わらないために変わる
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小沢一郎が、民主党代表選挙の際に語った言葉。
「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」
同じことを小沢は、『語る』(文藝春秋)という本でも書いています。
私はいま次の言葉を思い出す。
青年時代に見た映画『山猫』のクライマックスの台詞である。
イタリア統一革命に身を投じた青年が、自分たちを支援してくれている伯父でもある名門の公爵に「あなたのような方がなぜ革命軍を支援するのか」とたずねた。
バート・ランカスターの扮する老貴族は静かに答えた。
「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない(We must change to remain the same.)」
実に逆説的な真理である。
人類の歴史上、長期にわたって繁栄を維持した国は、例外なく自己改革の努力を怠らなかった。
そのことを肝に銘じて、うまずたゆまず「改革」に取り組んでいきたい。

■本来の「保守」の意義を端的に示した名文だと思います。
ジャーナリストの櫻井よしこも、似たようなことを言っています。



真の保守主義者は実は、不動不変の綱領から、全く自由な人々のことである。
真の保守主義者は変わらないためにこそ、変わることを恐れない人々である。
最善と思った制度や法律は時代と共に状況が変わり、最善ではなくなるものだ。
最善を保つためにこそ変わらなければならない。
(『諸君』2004年1月号)

■「保守」っていうと、「『過去に行われてきた』というだけで、とにかくそれを『正しい』とすることである」と考えている人が多いと思います。
しかしそうではないでしょう。

「良い伝統は断固として守る。でも悪い伝統はためらいなく捨てる。」
このように再帰的(反省的)取捨選択を行う。
そして自分(あるいは自分たち)の拠って立つ、それ自体合理性では説明のつかない何かを護りぬく。
これが「保守」ではないかと思います。

■「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」
「最善を保つためにこそ変わらなければならない」
小沢、櫻井二人の言うとおり、保守派の人々は、自分(あるいは自分たち)の拠って立つ基盤を護持し入れ替え可能性を拒否するために(つまり、変わらないために)、徹底的に合理的に物事を考え、変わるべきときは徹底的に変わる心構えを持つ必要があると思います。

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by asatte_no_houkou | 2006-06-11 00:32 | 社会の時間
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