中学生のための『国家』入門の入門 - 第1回「国家って、なんだろう」
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■はい、みなさん、こんにちは。
今日はですね、国家の基礎の基礎について、わかりやすくお話したいと思います。

■さて、みなさんは、「国家とは何か」と聞かれて即座にその意義を答えることができるでしょうか?
答えられる人、手を挙げて。
う~ん、誰もいないようですね。
これは無理もありません。
国家の意義について、あまり学校の授業では教えてくれませんからね。

■これまで学校の授業で国家の意義について、きっちりと取り扱われなかったのは、おそらく学校の先生方の間にマルクス主義的な考えが席巻していたからではないでしょうか。
マルクス主義では、国家は、支配階級が労働者から搾取するための暴力装置であって、革命による階級闘争の成就の結果、死滅に向かうと考えられてきたわけですから・・・
要するに、国家は「悪」だから、いずれ廃絶されると。
【マルクス主義】
社会主義革命(労働者階級による独裁)→共産主義革命(生産力水準が上昇した暁に国家廃絶)

■そりゃね、インターネットの普及、経済のボーダレス化の点からすると、今のままの国民国家というものがこれからも先、100年、200年先も続いていくかどうかはわかりませんよ。
でも国家そのものが廃絶されることは未来永劫ありえないでしょう。

■だって、そうでしょう?
例えば犯罪が発生したとき、通常は被疑者をとっ捕まえて、起訴し、そして裁判で犯人を確定することになりますが、これは国家(統治機構としての国家)という合法的な実力装置があってこそ可能となるのです。

■また、私たちが生活をしていくためには、税金をどうするか、どこに橋をかけるか、福祉をどうするのかなど、国家の構成員全員を拘束する事項を決定する、誰もが「それならよし」と納得する正統的な決定手続きの存在が必要不可欠となりますが、これは国家というシステムなくして存立しえません。
国家廃絶などありえないのです。

■さて、「国家とは何か」ですが、通常はこのように国家は定義されます。
一定の限定された地域を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力を持つ統治権のもとに法的に組織されるようになった社会


■これを細かく分割しますと
1、領土
2、国民
3、統治権(主権)
との3つの要素となります。

■これら3つの要素から国家は成り立っているわけですね。
1については、まあ、いいでしょう。
今、日本では北方領土、尖閣諸島、竹島が話題になっていますね。
2の「国民」の意義についてはいろいろと争いがあるところですが、とりあえずここでは深入りしません。
当該国の国籍を有する者と考えておいてください。

■さて3の統治権ですが、これは立法権、行政権、司法権の総称です。
これは学校の授業で習いましたよね?
この統治権の行使は統治機構が担当します。
国会、内閣、裁判所ですね。

■ここで確認しておきたいのはですね、今まで縷々説明してきたことからわかる通り、国家と統治機構は同じものではないということです。
国家≠統治機構
この点をきっちりと理解しておかないと、話がこんがらがってしまいます。
きちんと区別してください。
統治機構は、国家の3要素である統治権を担う組織に過ぎません。
要するに、国家の構成要素の一つですね。

■国家をバスに喩えて説明しますと、国家がバスならば、統治機構は運転手です。
国民は乗客
運転手が乗客の言うことを無視するなら、取り替えればいい。
抵抗権ってやつですね。
まあ、その前に合法的な政権交代ってやつがありますが。
国家    ⇒ バス
統治機構 ⇒ バスの運転手
国民    ⇒ バスの乗客


■はい、というわけで、時間が来ましたので、今回はこれまで。
次回は、「国家と憲法はどういう関係なの?」というテーマでお話したいと思います。

【中学生のための『国家』入門の入門】
第1回「国家って、なんだろう」
第2回「国家と憲法はどういう関係なの?」
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」前半
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」後半

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by asatte_no_houkou | 2006-06-19 01:24 | 国家・ナショナリズム・愛国心
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