■はい、皆さん、こんにちは。 今日は、中学生のための『国家』入門の入門の第3回目ですね。 今回が最終回となります。 では早速始めたいと思います。 ■前々回は「国家とは何か」、前回は「国家と憲法の関係」についてお話させていただきました。 今回は、ナショナリズムについてお話させていただきます。 ■さてさて、ナショナリズムとは何でしょう? なかなか、パッと明快に説明できませんよね。 前にバスの喩えで国家を説明しました。 覚えていますか? バス ⇒ 国家 ■世の中には、たくさんのバスがありますよね。 「アメリカ」というバス、「中国」というバス、「ウガンダ」というバス、「トリニダード・トバゴ」というバス・・・ いろんなバスが走っています。 ■そんな中で、何ゆえに私たちは「日本」というバスを選んだのか。 その「日本」というバスを選んだ理由こそが・・・ そう、ナショナリズムなのだと思います。 ■ナショナリズムは、近代国家成立にとって欠かすことができないもの。 近代国家存立の基礎となるものです。 国民としての意識、言い換えれば「連帯性の原理」。 「同じ国の国民だ」という連帯感を持つことです。 この連帯感が欠ければ、近代国家は一挙に崩壊することになるでしょう。 ■この同じ国民としての連帯感情は、自然に生まれてくるとは限りません。 日本の場合は、たまたま大陸から孤立した島国ですから、この連帯感情を自然に生まれる感情と思いがちですが、そんなことはありません。 これは外国へ行くとすぐにわかりますね。 ■郷土への愛情(パトリオティズム)、これは自然に生まれる感情です。 自分が生まれ育った郷土への愛情。 例えば、 故郷近くなれば、城の天守閣こそまず目をよろこばす種なれ。低き家、狭き町、淋しき松縄手、丈高き稲の穂、鼻の尖に並びたる連山、おさなき頃より見慣れたる一軒家、見るもの皆莞爾として我を迎うるがごとし、いずれなつかしからぬはなしこういうのが郷土への愛情、つまり愛郷心です。 ■一方、ナショナリズム。 これは近代国家とともに生まれた人為的なもの、つまり前近代から近代へと移行するに際して人の手によって作り出されたものなのです。 国民教育(国語の教育など)の結果として生まれるものなんですね。 ■日本においては明治期になるまで、多くの日本人には「日本人としての意識」なんてありませんでした。 そこで、どうしたのかというと・・・ 明治政府が、天皇をシンボルとして用いることにより(天皇教)、人為的にナショナリズムを涵養していったのです。 まあ、この点については話し出すと長くなるので、以上にします。 ■さて、このナショナリズム。 多民族国家で、しかも広大な領土を有する国においてはその涵養には大変な努力が必要となります。 アメリカなんて、至る所に星条旗が掲げられていますよね。 これはなぜかと言いますと、そのようにしないと、連帯感情が薄れてしまうからです。 ですので、常に連帯感を鼓吹する必要があるんです。 ■中国もそうですね。 いろんな民族が入り混じっています。 だから、ナショナリズムを煽り立てないとダメなんです。 いわゆる反日教育ってのは、そのための手段なんですね。 日本人としては、いい迷惑ですが・・・ ■もともと中国人は、「中国人としての連帯感情」が薄いようです。 一方で強く持っているのは、自分の所属する共同体(宗族、パオなど)への帰属意識。 なので、もしかしたら早晩、中国は分裂してしまうかもしれません。 春秋戦国時代や三国志の時代に逆戻りする可能性があります。 後半へ続く 【中学生のための『国家』入門の入門】 ・第1回「国家って、なんだろう」 ・第2回「国家と憲法はどういう関係なの?」 ・第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」前半 ・第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」後半 この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
by asatte_no_houkou
| 2006-07-31 02:31
| 国家・ナショナリズム・愛国心
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