中学生のための『国家』入門の入門 - 第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」後半
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まずは、第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」前半をお読みください。

■まあ、その点はさておき、このナショナリズムですが・・・
具体的な内容、例えば文化とか民族とか宗教とかいったものを伴わないようにしなければならないと思います。
それはなぜか。
内部的な面外部的な面の両面で弊害が生じるからです。

【具体的な内容(文化・民族・宗教)を伴った場合の弊害】
・内部的な面
・外部的な面

■内部的な面での弊害とは、排外的になるということです。
具体的な内容を伴ったナショナリズムは、少数者の人たちを排除し差別迫害の対象としがちです。
国民の中には、具体的な内容を受け入れられない人たちがどうしても出てきますよね。
その人たちへの迫害、差別を帰結しないようにしなくてはなりません。
となると、ナショナリズムが具体的な内容を伴わないようにしなくてはならないと思います。
【具体的な内容(文化・民族・宗教)を伴った場合の弊害】
・内部的な面 ⇒ 少数者への差別・迫害
・外部的な面

■外部的な面での弊害とは、停戦が困難になるということです。
国家というものは、常に戦争をする可能性のあるものです。
なぜなら、戦争は、国家間の国際紛争を解決する最終的な手段となるものだから。
国際社会において主権国家が並存する以上、国際紛争が必ず生じてしまいます。
国際紛争が基本的には必ず解決をしなければならない。
となると、紛争状態にある国家間において、戦争という解決手段が採用される可能性が出てきます。

■国家と国家が戦争するとき、もしそれが宗教戦争になれば・・・
そのときは許すことができない無条件の戦いとなってしまいますよね。
妥協の余地がなくなっちゃう。
徹底的に殺し合いをしなくてはならなくなる。
そのため、停戦をすることが困難になってしまいます。
「この辺で手打ちとしよう」とは、なかなか言えなくなるんです。
これは大変に危険です。
【具体的な内容(文化・民族・宗教)を伴った場合の弊害】
・内部的な面 ⇒ 少数者への差別・迫害
・外部的な面 ⇒ 停戦が困難

■ですので、ナショナリズムに文化・民族・宗教といった具体的な内容ができるだけ盛り込まれないようにしなければなりません。
文化や民族、宗教といったものは、それぞれの共同体(例えば家族、地域)が育み、そして伝えていくべきものだと思います。

■近代国家には、ナショナリズムが必要不可欠です。
ナショナリズムなくして近代国家は存立し得ないのです。
でも、できうる限り、文化・民族・宗教といった具体的な内容が伴わないようにする必要があるのです。
対内的に差別や迫害を回避し、対外的に停戦を可能とするためです。

■あっ!時間が来ちゃいましたね。
全3回にわたり、お話して参りました、中学生のための『国家』入門の入門。
いかがでしたでしょうか?
では、またの機会にお会いしましょう。
ご清聴ありがとうございました。

【中学生のための『国家』入門の入門】
第1回「国家って、なんだろう」
第2回「国家と憲法はどういう関係なの?」
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」前半
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」後半

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by asatte_no_houkou | 2006-07-31 13:23 | 国家・ナショナリズム・愛国心
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