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「9.11」から5年 ― 「テロとの戦い」でテロは撲滅できるのか
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■あの9.11テロ(同時多発テロ)から5年が経ちました。
全米各地で、犠牲になった方々を追悼する行事が行われたようです。
ブッシュ大統領は追悼式典に訪れ、アホみたいな顔で以下のように語り、対テロ戦争への支持を求めました。
「私はあの日の教訓を決して忘れないと誓う。同様の損害を与えようとしているがまだいる」




アフガン戦争については、私は、テロを抑止する戦争として正当なものであったと考えます。
アフガニスタンへの武力行使により、「テロリストを支援する政権は、その存在が許されない」との先例が作られました。
国際法の本質は慣習法です。
大国の行動により国際法は作られます。
テロから社会を守るという観点からすれば、アフガン戦争は必要な戦争であったと思います。

■民主主義の本質は、言論を通じて相手を説得するという点にあります。
それゆえ本来は、どんな言い分であれ、暴力に訴えることにより反撃をするべきではありません。
しかしこれには例外があります。
民主主義そのものがテロによって攻撃された場合は、実力行使をすることができるのです。
9.11テロは、民主主義への攻撃、すなわち私たちの社会に対する攻撃であったのです。

■しかしイラク戦争は違います。
イラク戦争前、あたかもフセイン政権と国際テロ組織アルカイダとが関係があるかの言説が溢れました。
そこで「テロとの戦い」の一環としてイラク戦争が行われました。
しかしその後、フセイン政権とアルカイダとは全く関係がないことが明らかになりました。
Excite エキサイト : 国際ニュース
アルカイダと結び付きなし 米議会、開戦の大義覆す
【ワシントン8日共同】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争をめぐるブッシュ米政権の情報活動に関する報告書を公表、同政権が指摘した旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダの結び付きを完全に否定した。
ブッシュ大統領が現在も主張するイラク聖戦アルカイダ組織の指導者ザルカウィ容疑者(6月に殺害)と旧政権とのつながりについても、協力関係はなかったと結論付け、ブッシュ政権が掲げた開戦の「大義」を根底から覆した。

しかもイラクには大量破壊兵器は存在しなかったことが証明されました。
ブッシュ大統領の責任は重い。

■9.11テロの背後には、いわゆるイスラム原理主義があると言われています。
さらにその背後には、アメリカの中東政策によって積もり積もった政治的怨念があると言われています。
この政治的な怨念が、テロリストをテロへと駆り立てる動機付けとなりました。
かつて原陽子が言っていたように「ざまーみろっ」と思う人が世界にたくさんいることは紛れもない事実なのです。

■テロを撲滅するためには、テロへと駆り立てる動機付けを失わせる手立てを講じることをもする必要があると思います。
アホみたいに武力行使だけを繰り返していても暴力の連鎖を招くだけです。
テロを撲滅することは決してできません。
逆にテロを増やすだけです。
アホのブッシュには、それが理解できないようです。
日本の総理大臣はどうでしょうか。

9月11日現在の犠牲者の数 
9.11テロ            2973人
アフガニスタンとイラク戦争  3005人(米軍兵士)
(日本テレビ「今日の出来事」より)


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by asatte_no_houkou | 2006-09-12 01:30 | 国際社会を生き抜く
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