【決定版】私が考える憲法9条と自衛隊
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■憲法9条と自衛隊についての私の考えを述べさせていただきます。
少し長いですがお付き合いください。

【自衛隊の活動範囲】
■自衛隊の出動は以下の2つの場合とするべきです。

①自衛権の行使

■自衛権の発動としての武力行使は、

Ⅰ わが国に対して直接の武力攻撃があった場合
及び
Ⅱ そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至る蓋然性が極めて高い場合

に限定します。

②国連決議(安保理、総会など)

■国際平和維持のための活動については、
国連の決議等がある場合

に積極的に参加します。




①について

■これについては反対する人はまずいないと思います。
以下、説明します。

■戦争の本質とは何でしょうか。
それは、国際紛争を解決する最終的な手段という点です。

■国際社会においては、主権国家が併存している以上、国家間の国際紛争は必ず生じます。
基本的には、この国際紛争は必ず解決をしなければなりません。
国家間に紛争があると、分業と協同の関係が機能しなくなり、国際社会は自家中毒に陥るからです。

■である以上、日本一国がいくら高らかに「戦争を放棄します!」と宣言しようが、日本が戦争に巻き込まれることを避けることはできないのです。
国際紛争を解決するために、他国が日本に戦争を仕掛けてくる可能性があるからです。

■世界の全ての国が「戦争を放棄します!」と宣言しなければ、戦争がこの地球上から無くなることはありません。
正確に表現すれば、戦争以上に合理的で実効的な紛争解決の最終的手段を創造しない限り、国際社会から戦争はなくなることはないのです。

■日本一国だけが「戦争を放棄します!」と宣言することは、逆に戦争を誘発することになりかねません。(例:ナチスドイツのヨーロッパ侵攻)
日本は格好の餌食となってしまいます。
それゆえ、日本は国民の生命・身体・財産を守るために(憲法13条)、自衛権の発動としての武力の行使をする必要があります。

■想定される脅威が現在において存在しない、と主張される方がいますが、脅威が現在存在しないから将来においても生じないであろうと結論付けるのは論理的ではないですね。
あらゆる可能性に対応するのが政治のリアリズムです。

②について

■島国であり資源の少ない日本がこれからも生き残っていくための必要条件は、
1、世界の平和と安定と、
2、その下での自由な貿易

です。

■世界が無秩序で不安定であるならば、日本の繁栄は最早維持することはできなくなることでしょう。
したがって、日本は積極的に世界の平和と安定に貢献しなければなりません。

■具体的には、国連を中心として日本は貢献をするべきです。
なぜなら、国連は世界の国々が加盟し、かつ唯一の平和機構であるからです。
(現実的にはアメリカの暴走を食い止めるための道具として国連を利用するという意味がある)

■日本は国際平和維持のための活動について国連の決議等に従って積極的に参加するべきだと考えます。

【現行憲法の解釈】
■ではこの二つの活動をすることは現行憲法において合憲なのでしょうか。
憲法9条はこのように規定しています。


第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


まず①自衛権の行使について

■結論から言いますと、自衛権の行使およびその行使のための実力部隊である自衛隊は合憲であると考えるべきです。

■9条1項は放棄するべき戦争について「国際紛争を解決する手段としては」という条件を設けています。
国際法上の通常の用語例(パリ不戦条約など)からすると、「国際紛争を解決する手段としては」とは侵略戦争を意味します。
(『憲法』芦部信喜箸 岩波書店)
したがって、1項において放棄されているのは侵略戦争のみとなり、自衛戦争は放棄されていないということになります。(学界通説、政府解釈)

■次に2項。
2項においては「前項の目的を達するため」という文言があります。
これはつまり「侵略戦争の放棄の目的を達成するため」と読むことになりますから、2項において保持しないとされる戦力とは、侵略目的の戦力と考えることになります。

■したがって、自衛隊による自衛権の行使は、侵略目的の戦力ではありませんので合憲となります。

次に②国連決議に基づく国際平和維持のための活動について

■国連の決議に基づく国際平和維持のための活動は、国連の方針に基づいて、国連の指揮のもと行われます。
これは「国権の発動」にはあたりません。
ですから、9条に反せず合憲となります。

■この活動は憲法前文の「名誉ある地位を占めたい」との文言や9条の「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」の文言に合致する行為と言えます。

【憲法改正】
■このように現行憲法において自衛隊の①②の行為は合憲であると考えるわけですから、改正の必要はないとも言えそうです。

■しかし、私は改正するべきだと考えます。
なぜなら現行憲法9条は不明確で、しかも不十分だからです。

まず「不明確」という点について

■憲法とは、国家権力の濫用による個人の自由・権利が侵害されることを防止するための統治権力への命令です。
であるならば、できるかぎり憲法の文言は明確であるべきです。
なぜなら、明確であればあるほど国家権力の濫用を防止できるからです。

■したがって、①②の自衛隊の活動について明確に規定するべきです。
そして拡大解釈や自民党的ななし崩し的な解釈を防ぐべきです。

次に「不十分」という点について

■まず①の自衛権の行使についてですが、
「最高指揮監督権を有するのは内閣総理大臣である」という規定や「軍人は、現役・退役を問わず、国務大臣になれない」という規定(66条2項を改正)を設けるなどしてシビリアン・コントロール(軍隊に対する国民による統制)の原則をしっかりと明記するべきです。

■先の大戦において日本は、軍部が政府の制止を無視して独走するという事態に陥りました。
原因の一つは統帥権が独立していたことにあります。

■憲法を改正してシビリアン・コントロールについて明記して再びこのようなことが起きないようにするべきです。

■次に②の国連決議に基づく活動ですが、
この点についてはそもそも現行憲法に全く規定がありません。
これは無理もありません。
現行憲法制定時においては想定されなかった活動ですから。

■そこで国連の決議に基づく国際平和維持のための活動に積極的に参加することについて明記するべきです。

【憲法9条改正案】
■以下のように憲法9条は改正するべきです。

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、侵略の手段
としては、永久にこれを否認するが、自国の独立と世界平和の創出に
貢献するためにはこれを否認しない。
2 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、国防軍として
保持する。
3 前項の国防軍の最高指揮権は内閣総理大臣が有する。
4 内閣総理大臣は、わが国の独立を維持するために事前に、時宜によっては
事後に国会の承認を経て、国防軍の出動を命じることができる。
5 自国の独立のための国防軍の出動は以下の場合に限定する。
① わが国に対して直接の武力攻撃があった場合
② そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至る蓋然性が極めて高い場合
6 内閣総理大臣は、世界平和の創出に貢献するために、国際連合の決議に基づき、又は国連決議の実効性を確保するため、国際連合その他の国際機関または国際連合加盟国その他の国が行う活動について、自衛軍の出動を命じることができる。


■その他、国連を中心として核兵器の削減武器ビジネスの規制に努力するということを憲法に明記するべきだと考えます。

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by asatte_no_houkou | 2004-06-20 15:47 | 日本国憲法を考えよう
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