山地被告側が控訴=1審死刑、大阪姉妹刺殺事件 ■大阪市浪速区のマンションで昨年11月、姉妹が殺害された事件。 弁護人は、判決(死刑判決)を不服として、26日、控訴をしました。 控訴をする権限は、被告人のみならず弁護人にも認められています。 今回は、弁護人の権限として控訴が行われたようです。 ■ただ、被告人である山地悠紀夫は判決後、「控訴する考えはない」と弁護人に話していたようなので、今後、山地により控訴が取り下げられる可能性もあります。 その場合は、直ちに原判決(死刑判決)が確定することになります。 ■この裁判では、公判前整理手続きという平成16年の刑事訴訟法改正により設けられた手続が採用されました。 この手続は、第1回公判期日前に行われるもので、事件の争点などの整理をすることにより公判手続を充実かつ迅速に行うことを目的にしたものです。 公判前整理手続⇒冒頭手続⇒証拠調べ手続⇒弁論手続⇒判決 ■今回、この公判前整理手続きの採用の結果、異例の早さで死刑判決が言い渡されました。 事件が起きたのが昨年(平成17年)の11月。 ですから事件後1年1か月で判決が言い渡されたことになります。 これはこれまでの刑事裁判の例からすると、とても早い。 ■ご遺族の方々のご負担という点から考えると、これはとても評価できる。 聞くところによると被害者の父親は、事件後のストレスにより目をかなり悪くされたようです。 にもかかわらず第一回公判期日から全ての公判期日の傍聴をされておられました。 迅速な裁判の要請は日本国憲法にも明記されている要請ですから、この点からしても今回の早期の判決言い渡しは大変に評価できることだと思います。 第37条1項 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。 ■しかし一方で、こんなに早く裁判を終わらせていいのかとの疑問もあります。 事件が事件だけにもっと時間をかけ、より精緻に事件の背景を究明する必要があるのではないか・・・とも思うのです。 弁護人が被告人の意に反して控訴に踏み切ったのは、このような点が理由のようです。 判決後、弁護人は、 「被告自身の感情や、被告人関係者の感情がまだ整理されていない中での短期裁判となり、被告の心の奥深いところに迫り切れなかった後悔がある。人の命を奪う判断をする裁判は、もっと時間をかけてじっくり行われるべきではないか」と言っていたそうです。 ■ただ、時間をかけたところで、今後、被告人が態度を改め、自分の罪と向き合うようになるのか・・・ 結局、私は6回、この裁判を傍聴し、山地の態度・表情を観察しましたが、彼が今後態度を改めるとは到底思えませんでした。 もはや山地は完全に社会から離脱してしまっており、もう戻ってくることはありえないのではないか。 ■弁護人は「一審で弁護を尽くせなかった」と自責の念を述べておられました。 しかし誰が弁護人を務めようと結果は同じだったのではないかと感じます。 【拙ブログ関連記事】 ・大阪姉妹殺害事件 - 「居場所」なき者の犯罪 ・【大阪姉妹殺害】23歳被告に死刑求刑 ― 語られなかった反省の言葉 ・【大阪・姉妹殺害】山地被告に死刑判決 - 裁判を傍聴して感じたこと ・【大阪・姉妹殺害】控訴取り下げ死刑確定 この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
by asatte_no_houkou
| 2006-12-28 02:58
| 犯罪・刑罰・裁判
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