自殺サイト殺人事件 - 防ぐことができたのではないか
a0029616_1232196.jpg

■今からちょうど2年前の平成17年2月、河内長野市の河川敷で女性の遺体が発見されました。
それから6ヵ月後、事件は急展開。
ある男が被疑者として逮捕されました。

■その男の名は、前上博
前上博は、インターネット上の自殺サイトで言葉巧みに女性を誘い出し、殺害しました。
動機は、自身の性的欲求を充足するため



■前上博の性癖。
それは、人(年齢性別を問わず)の鼻や口をふさぎ、窒息させることにより性的快感を得るというものです(注1)

■逮捕後、前上は男子中学生と男子大学生の殺害も自供しました(注2)
女性と同じように、自殺サイトを介して誘い出し、性的欲望の充足のために窒息死させるという犯行でした。
この事件は、「自殺サイト連続殺人事件」として大々的に報道されたので、多くの方の知るところとなりました。

■前上の性癖のきっかけとなったのは、小学5年生のときに読んだ推理小説
人が窒息して苦しむ場面に、強い性的興奮を感じたようです(注3)
その後、高校卒業までの間、通りすがりの小・中学生を襲うようになります。
卒業後も大学の友人、勤務先(郵便局)の同僚、女子中学生、男子中学生などを襲うことを繰り返し、ついには服役することになりました。

■前上は自分の異常な性癖を治すために、自主的に精神科医のもとへ治療に行っています。
しかし彼なりにあらゆる努力を尽くしたものの、性的欲求を充足したいという強い衝動を抑えることはできず、3人の尊い命を奪ってしまいました。
惜しむらくは、刑務所内、あるいは精神科のもとで何らかの適切な対処がなされていれば、今回のような凶悪な事件を防ぐことはできたのではないかという点です。

■私は前に当ブログで治療共同体という性犯罪者を更生させるプログラムを紹介させていただきました。
【治療共同体】性犯罪者の再犯を防ぐ手立て
もちろんそのプログラムを実施したとしても改善の見込みが期待できない場合が考えられます。
その場合は、薬物による去勢で対処するべきだと思います(注4)

■この事件は、2月20日にご遺族の方による意見陳述、検察による論告求刑が行われ(注5)23日に弁護人による最終弁論が行われる予定となっています(注6)。
おそらく3月中に判決が言い渡されるのではないでしょうか(3月28日に言い渡されるようです)。
極刑が予想されます。(注7)(注8)



(注1)前上は、白い靴下にも異常な執着心を持っているようです。
大学進学後、同じ大学の友人(男性)の口を塞ぎ首を絞めているのですが、これは友人が履いていた白い靴下を見て欲情し、欲求を抑えきれなくなったからのようです。
今回の事件でも、殺害前に被害者3人に白い靴下を履かせています。

(注2)自供した理由について、前上は、「自分の衝動をもはやコントロールできないのでそれに終止符を打ちたかったからだ」と述べています。

(注3)2月13日、情状証人として出廷した臨床心理学の教授(東海学院大教授)は、幼少時に受けた虐待が彼の異常な性癖に影響を与えているのではないかと証言していました(被虐待症候群)。
前上は、些細なことで母親に線香やもぐさを押し当てられたりしていたようです。
ちなみにこの臨床心理士は、この被告人を今後の性犯罪防止に役立てるべきで、極刑を科すべきではないと証言していました。

(注4)今回の事件が起こる前、前上は精神科医に対して薬物による去勢をするように懇願しています。
しかしそれが実現されることはありませんでした。

(注5)2月20日、大阪地裁1005号法廷にて論告求刑公判が行われ、検察側は「執拗、残虐で犯罪史上例を見ない残酷な犯行」として、死刑を求刑しました。

(注6)2月23日、大阪地裁で最終弁論が行われ、弁護側は「被告は自分がなぜ性的衝動を制御できず、殺人に快感を覚えるようになったか理解できていない。責任能力が疑われる」と主張しました。一方、前上被告は「私の犯した罪は自分の命をもってしか償う事はできないと思う。死刑の時は、半年以内に執行して欲しい」と述べました。

(注7)前上は今回の事件の前、2度自殺を図っています。

(注8)前上は公判にて「自分の事件を他の性犯罪の防止に役立てて欲しい」と述べています。

【拙ブログ関連記事】
自殺サイト殺人・死刑判決 - 「自分の事件を他の性犯罪の防止に役立てて欲しい」


この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
[PR]
by asatte_no_houkou | 2007-02-17 01:27 | 犯罪・刑罰・裁判
<< 加古川7人殺害事件 - 被告人... 「泥棒に雇われた裁判官!」 -... >>