加古川7人殺害事件 - 被告人の責任能力
■兵庫県加古川市2004年8月に起きた殺人事件。
親族7人が刺殺されるという我が国の犯罪史上類を見ない惨劇とも言うべき事件でした。
被疑者として逮捕・起訴されたのは、藤城康孝

■この事件は2005年1月29日に初公判が行われました。
初公判では被告人に対して起訴状記載の公訴事実についての認否を問われるのですが、藤城康孝は「その通りです」と起訴事実を認めました。
その後、弁護人の請求に基づき精神鑑定が行われました。

■精神鑑定の結果は、被告人は「精神障害の一種の妄想性障害」であり「犯行時、物事の是非や善悪を判断する能力は著しく低下していたが、完全に喪失してはいなかった」というものでした。

■要するに、被告人は、刑が必ず減軽される心神耗弱(刑法39条2項:必要的減軽)であったということです。
検察側はその結果を不服として、裁判所に再鑑定を請求しました。

2007年2月16日、神戸地裁201号法廷にてその再鑑定請求についての裁判所の判断が示されました。
上はブルーのフリース(?)、下は濃いグレーのズボンという服装で入廷してきた藤城康孝。
凶悪な犯行から大柄な男だと予想していたのですが、意外にも小柄でした。

■現在、彼の年齢は50歳のはずなのですが、60歳ぐらいにかなり老けて見えました。
「この男があの凶悪な犯行をした男なのか・・・」
ヒョコヒョコと歩く姿を見ていると、彼とあの犯行とが結びつきません。

■たしかに顔だけを見ていると、極悪な印象を受けます。
しかしかなり痩せており、ひ弱そうな体つきで、「7人もの大人を刺殺できるほどの体力がこの男のどこにあるのか」と感じられました。
まあ、犯行時と今では体つきが変わっているのかもしれませんが。

■さて検察の再鑑定請求についての裁判所の判断ですが、それは「再鑑定を認める」というものでした。
私は鑑定書を読んでいませんし、法廷での鑑定人に対しての尋問も聞いていません。
でも、こんなに簡単に再鑑定を認めてもいいのかなと思いました。

■「心神耗弱」という鑑定をした鑑定人は捜査機関の簡易鑑定に携わったこともある人のようで(もちろん別の事件で)、いわば「捜査機関側」とも言うべき人です。
この人ですら「心神耗弱」と鑑定したわけですから、再び鑑定しても同様の結果となるのではないでしょうか。
まあ、とはいえ、7人もの尊い命を奪った人間が必要的減軽により死刑ではなく無期懲役となることは、一般人としての素朴な法感情としては納得できるものではありませんが。

■もし再鑑定の結果が「完全責任能力が認められる」というものだったらどうなるのでしょうか。
当然に弁護側は裁判所に対して再鑑定を求めることでしょう。
裁判所はもう一度再鑑定を実施して、多数決で判断するのでしょうか。

■精神鑑定というのは難しいものですね。
宮崎勤の事件が思い出されます。
皆さんご存知のように、宮崎事件では簡易鑑定も含めて結局3回の精神鑑定が行われましたが、鑑定人よって判断が分かれました。

■精神鑑定というのは、ギリギリの微妙な判断なのでしょう。
いずれの判断となるにせよ、一般市民が十分に納得しうる結論を導いてもらいたいものです。

この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
[PR]
by asatte_no_houkou | 2007-02-21 00:30 | 犯罪・刑罰・裁判
<< R-1ぐらんぷり2007 - ... 自殺サイト殺人事件 - 防ぐこ... >>