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三宅久之の中国的な憲法観には賛成できない - 憲法の本質とは何か
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■4月15日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」で、政治評論家の三宅久之さん
左翼は「憲法は統治権力を制限するものだ」と言っているが、私は賛成しない
との趣旨のことを言っていました。

■これに対して評論家の宮崎哲弥さん(和製ジャッキーチェン)が
私は左翼ではないが、憲法は統治権力を制限するものだと考える
との趣旨のことを言いました(正確には「国民による統治権力への命令だと考える」と言っていた)。

憲法の本質をどう考えるかについては大きく分けて2つあります。
① 統治権力からの国民への命令で、国民にとっての義務規定
統治権力→→(命令)→→国民

② 国民からの統治権力への命令で、統治権力にとっての義務規定
国民→→(命令)→→統治権力

■①の考え方は、中国の考え方(儒教+法家の思想)です。
中国では、「法」とは国民を統治するための手段です。
つまり憲法の本質を、道徳的な権力者による不道徳な社会・国民に対する命令であると考えます。

■一方、②の考え方は、欧米などの近代民主主義社会の考え方です(左翼の考え方ではない)。
統治権力は強大な権力ゆえにそれが濫用されると国民の権利・自由が害されるおそれがある。
そこで憲法によって統治権力を雁字搦めにし、統治権力の濫用的行使によって国民の権利・自由が侵害されないようにしようと考えます。
つまり憲法の本質を、国民による、濫用されると恐ろしい統治権力に対する命令であると考えるわけです。

■三宅久之さんは日ごろ、中国に対して批判的な立場の人です(この点は私も一定の理解ができます)。
ところが実のところは三宅さんは中国人と同じような発想をする人でした。
近親憎悪ってことでしょうかね。

【参考文献】
宮崎哲弥・川端幹人著『事件の真相』
【オススメの憲法の本】
小室直樹著『日本人のための憲法原論』
長谷部恭男著『憲法と平和を問いなおす』

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by asatte_no_houkou | 2007-04-25 02:01 | 日本国憲法を考えよう
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