米兵の女子中学生暴行事件 - まあ待て、冷静な議論をしようではないか
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「沖縄は許さない」司令部基地前で抗議集会…米兵暴行事件 
 米海兵隊員による女子中学生暴行事件を受け、市民団体「沖縄平和運動センター」や労組のメンバーら約200人が12日夕、在沖縄米海兵隊司令部がある沖縄県北中城(きたなかぐすく)村のキャンプ瑞慶覧(ずけらん)の石平(いしんだ)ゲート前で抗議集会を開いた。
 参加者らは、基地に向かって拳を突き上げ、「凶悪犯罪を許さないぞ」「沖縄から出て行け」とシュプレヒコールを上げた。
 那覇市議会は12日の臨時会で〈1〉再発防止へ向けた実効性のある施策を講じる〈2〉米軍基地の一層の整理縮小、兵力の削減を行う--ことなどを求める意見書や決議案を全会一致で可決。事件の現場となった沖縄市、北谷(ちゃたん)町の議会も13日に同様の意見書などを可決する見通しだ。
 市民団体は抗議、要請文の準備を進めており、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(那覇市)は「被害者の恐怖、家族の悲しみと怒り、地域の人々が受けた衝撃ははかりしれない」とし、13日、駐沖縄米国総領事に被害者の精神的ケア、基地外に居住する米兵の行動の管理などを求める要求書を提出する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080212-00000047-yom-soci

「米兵は日本から出て行け!」みたいなことを米軍基地の前で言っている人がいるようだが、こういう発言をする人は「三国人は日本から出て行け!」なんて差別発言をしている人と同レベルの差別発言をしていると考えるべきではないか。

■憎むべきは犯罪を行った特定個人であり(ただし現段階ではタイロン・ハドナット容疑者は被疑者に過ぎず犯人と確定したわけではない)、人種だとか国籍、あるいは所属する組織ではないはず。
差別発言は慎むべきである。



■日本における米兵の犯罪率はどのくらいなのだろうか?
犯罪というのは、多数の人間が存在すれば、極端な全体主義的な社会を除けば残念ながら一定数発生するものである。
犯罪が存在しない社会というのは自由な意思が存在しないということであり、不健全な社会である。

■日本人の犯罪率に比べ米兵の犯罪率が極端に高いかどうか。
まずこれが検討するべきポイントであり、もし犯罪率が同じくらいであれば、次に米兵が犯罪起こした場合に日本人と同じように法的に取り扱われるかが問題になると思う。
もし同じ取り扱いがされていないとすれば、それは不平等であり問題である。

日米地位協定というものがある。
これによれば、犯罪を犯した疑いのある米兵の身柄がアメリカ側にある場合は、日本の検察が起訴するまでアメリカ側が拘束できるという取扱いになっている(今回のケースは沖縄県警が逮捕したため、日本側が引き続き身柄を拘束できる)。

■日本人の容疑者の場合、起訴前でも日本の捜査機関が身柄を拘束することができるわけだから、この地位協定の取り扱いは不平等と言えると思う。
地位協定を改定するべきだ。
ただし、アメリカ側がこの不平等な地位協定の改定に反対している理由は、日本の捜査機関側が代用監獄(代用刑事施設)で被疑者を拘束するという国際的に非難されている制度を採用しているからであり、これは理解ができる。

■被疑者が代用監獄(代用刑事施設)に収容されることにより、自白獲得のために長時間の取調べが連日にわたって行われ、これが人権の侵害、虚偽の自白の誘発、ひいては冤罪の原因となっていると言われている。
アメリカはこの懸念があって、地位協定の改定に反対しているわけである。
このアメリカ側の主張は妥当なものだ。
日本としては地位協定の改定を要求する前にまずこの代用監獄を廃止するべきである。

■話が少し変わるが、この事件に関連して産経新聞の客員編集委員である花岡信昭がこのようなことを書いている。
「知らない人についていってはダメ」。筆者などの世代は子どものころ、親から口うるさく言われたものだ。
米軍基地が集結する沖縄である。夜の繁華街で米兵から声をかけられ、バイクに乗ってしまう無防備さ。この基本的な「しつけ」が徹底していなかったことは無念、という以外にない。

■ついていったのだから被害者にも責任があるとの物言い。
この文章は、日本の安全保障を考えるとアメリカ軍基地は必要であるとの主張の文脈の中で書かれているのだが、私は納得できない。

■軍事ジャーナリストの神浦元彰はこのように言う。
この事件で女子中学生が「送っていく」と言葉を信じて、バイクに乗ったことを「軽はずみ」と指摘する声を聞いたが、この事件では100パーセントの責任米兵にあって、女子中学生にはない。女子中学生にアメリカ人の男を見れば暴行魔と思えとは教育されていない。中学校で英語を習う英語圏から来た先生と同じ人間と考えても罪はない。女子高生の娘を持つ父親として、この米兵に強い怒りを感じる。

■まったく同感である。
今回の事件は100パーセント米兵が悪い。
神浦の主張はまったくもって正しいものである。
一方、花岡は自分の主張を貫徹しようとするあまりに被害にあわれた女子中学生を貶めようとしている。
花岡に対して憤りを感じる。
「花岡信昭は日本から出て行け!」と言いたい。

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by asatte_no_houkou | 2008-02-13 02:26 | 犯罪・刑罰・裁判
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