『蟹工船』がブーム - 右翼も左翼も平等思想!?
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■プロレタリア文学の名作『蟹工船』(小林多喜二著)。
1929年に発表されたこの作品が今、異例の売れ行きを見せているそうです(恥ずかしながら僕はまだ読んでいません)。
このきっかけになったのが、毎日新聞紙上で行われた、作家の高橋源一郎と雨宮処凛の対談
この対談の中で『蟹工船』が紹介されたことが異例のブームのきっかけになったそうです。



■ブームのきっかけを作った雨宮処凛。
もともとこの人は右翼活動家であり、右翼団体に所属していました。
ところがこの人。
最近はワーキングプアなど貧困問題についての活動をされています。

「え!?なんで元右翼活動家が左翼的な活動をしているの?」
おそらく多くの方がこのようなご感想をお持ちだと思います。
でも昭和の初期の歴史を紐解き、思想の本来の意味を考えればこの疑問は氷解します。

■本来、右翼思想と左翼思想というのは、民衆や反体制の立場から平等を求める思想であるという点で共通するんです。
この点は政治学者の中島岳志がつとに指摘しているところです。

「一君万民」(天皇の下に万民は平等であるとする考え方)であるのが右翼思想。
「一君」ではない、ただの「万民」であるのが左翼思想。
いずれも「万民」つまり国民の平等を志向するという点で共通です。
雨宮処凛の活動はその意味で一貫しているんですね。

■今、グローバル企業やグローバルエリートが、グローバルな市場競争に勝ち抜き生き残るという目的のため、パートや派遣といった非正規雇用が広がっています。
非正規労働者が全労働者の3人に1人を占めるようになりました。

■かといって正社員になっても、サービス残業、過労死、過労自殺が一向になくならない状況。
「残業代踏み倒し法」ともいうべきホワイトカラーエグゼンプションの導入が検討されています。

■こんな苦しいご時世の中での『蟹工船』のブーム。
私たちはこの名著を読んで、日本社会のありようについて今一度考えるべきではないでしょうか。
まあ、まだ『蟹工船』を読んだことがない僕が言うのもなんですが・・・

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by asatte_no_houkou | 2008-05-22 00:38 | 社会の時間
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