理解に苦しむこの時期の小沢一郎氏秘書の逮捕 - 元検事・郷原信郎氏
元検事・郷原信郎氏 理解に苦しむこの時期の小沢氏秘書の逮捕 part1


元検事・郷原信郎氏 理解に苦しむこの時期の小沢氏秘書の逮捕 part2


このインタビューや「日経ビジネス」での小沢秘書逮捕問題に関する郷原信郎さん(元検事、現桐蔭横浜大学法科大学院教授)の発言を極々簡単にまとめると、以下のようになります。

 政治資金規正法は、「寄附をした者」を収支報告書に記載することを要求しているが、寄附の資金を誰が出したのか(資金拠出者)を記載することまでは要求していない。

小沢一郎氏の資金管理団体である陸山会の収支報告書では、西松建設のOBが設立した2つの政治団体が寄附者(「寄附をした者」)として記載されている。

小沢氏の秘書が、たとえ西松建設が出した金だと知っていながら政治団体の寄附と記載したとしても(小沢氏の秘書が西松建設に請求書を送り献金額まで指示していたとしても)、それだけではただちに政治資金規正法違反とはならない。

この場合、政治資金規正法違反(虚偽記載)になるとすれば、
①寄附者とされる政治団体が実体の全くないダミー団体で、
しかも、
②それを小沢氏側が認識していた場合である。

裁判では検察がこの点を立証できるかどうかだが問題になる。

しかし、全国に何千、何万と存在する政治団体の中には、政治資金の流れの中に介在するだけで活動の実体がほとんどないものも多数ある。
もし仮に西松建設の設立した政治団体を「全く実体のないダミーである」と認定するならば、全国に何千、何万と存在する政治団体名義による政治献金を記載した収支報告書はすべて虚偽だということになってしまうであろう。

 同じような行為がそこらじゅうで行われているのにこの件だけを手につけるわけだから、他の事件との差別化ができるほどの悪質性があることが必要である。

これまで政治資金規正法で摘発されてきた事件(悪質性が認められた事件)は、
①違反の態様が特に悪質か、
金額が多額か、
このいずれかであった。
 
他の事件(日歯連闇献金事件など)と比較すると、寄附の総額が4年間で2100万円、しかも、すべて表の寄附で、その寄附の名義を偽った疑いがあるというだけの今回の事件は、規模、態様ともに悪質であるとは全くいえない。

しかも小沢氏は、献金が行われていた当時、自由党の党首から民主党との合流で民主党副代表になった時期である。国発注のダムについて発注者側に対する影響力があったとは考えられない。

 以上により、今回の小沢氏秘書の逮捕は理解に苦しむものであるといえる。


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by asatte_no_houkou | 2009-03-30 01:31 | 政治・経済に一言
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