<   2006年 06月 ( 4 )   > この月の画像一覧
中学生のための『国家』入門の入門 - 第2回「国家と憲法はどういう関係なの?」
a0029616_0491979.jpg

■はい、皆さん、こんにちは。
今日は、中学生のための『国家』入門の入門の第2回目ですね。
前回は「国家って、なんだろう」というテーマで、国家の意義についてお話しました。
今回のテーマは「国家と憲法はどういう関係なの?」です。
では早速、話を始めたいと思います。

■前回お話をしました、国家の3要素を覚えていますか?
1.国民
2.領土
3.統治権
3の統治権ですが、これは以下のように定義できます。
その領土に存在する人や物、さらに領土外に存在する国民を支配する権力


■前回お話しましたとおり、立法権・行政権・司法権の総称ですね。
この統治権の行使を担当するのが、統治機構です。
裁判官として刑事被告人に刑罰を言い渡したり、警察官として犯罪の被疑者に手錠をかけて逮捕したり、税務署の職員として滞納者から税金を取り立てたり・・・
これらはいずれも統治機構による統治権の一作用の具体的な行使の例です。

■ではこうした統治権は、如何様にして作られるのでしょうか。
それは契約です。
契約ってのは、わかりやすくいえば強い拘束力を持つ約束のことです。
この契約によって統治権力は作られるわけです。

■はい、みなさん、突然ですが、国家も社会もない状態を頭に思い浮かべてみてください。
国家も社会もない状態、これを自然状態といいます。
社会がないのだから、身分はない
身分がないのだから、それに伴う制約もない
社会的な諸要素を全部捨て去った、スッポンポンの状態。
おじいちゃん、おねえさん、タコ社長、平社員、上司、部下、親分、パシリ、ボケ、アホ、ハゲ、カツラ、ざこば、べかこ・・・
これら全部、「な~んに~もな~い、な~んに~もな~い、まっ~た~くな~んに~もな~い」(「はじめ人間ギャートルズ」より)状態。
思い浮かべましたか?

■このような状態では人々は自由であり平等です。
身分がないんだし、それに伴う制約もないんだから、そりゃそうだ。
この自由でありかつ平等な人々が、契約を結んだ。
対等に契約を結んだ。
その契約により出来上がったのが・・・
そうです。
統治権力です。

■なんでわざわざ、こんな契約をして統治権力を作ったのでしょう。
それは、一言で言えば、紛争解決のためです。
自然状態では、人間は生命・身体の自由を有します。
それゆえに、身体を自由に動かすことができる。
となると、働くこと(労働)により得られた財産は、この人の所有物になる。
となりますと、どうしても財産を持つことができる者持つことができない者が生じてしまいます。
それゆえに、「もてる者」と「もたざる者」との間で紛争が起きてしまう。
そこで、紛争解決のために、人間同士が契約を締結して統治権力を作ったわけです。

■まあ、要するに、統治権力は、契約当事者である人間に対して奉仕するために存在するわけですね。
統治権力としての国家の目的 ⇒ 国民への奉仕
ですので、統治権力が国民を不幸にするのならば、国民は契約を改めればよい。
つまり革命を起こして新しい統治権力を作り直せばよいわけです(抵抗権)。

■この統治権力を作り出した契約。
そう。
これこそが、憲法のことなのです。
憲法という契約によって、統治権力は作られる。

■ですから統治権力は憲法に反する行為をすることは絶対にできません。
なぜなら契約違反になってしまうから。
統治権力は絶対的に憲法に拘束されるのです。
みなさん、政府が憲法に違反する行為をしていないかどうか常に目を光らせてくださいよ。
これは契約当事者である私たちの責務と言えるでしょう。

■ちなみに多くの国の憲法は成文法ですよね。
成文法とは、法を文章化することです。
なぜ多くの国が成文法なのかといいますと、憲法が契約である以上、文章の形にしておく方が望ましいとの考えからなんです。

■はい、今日は時間が来ましたので以上と致します。
次回はナショナリズムについてお話したいと思います。
フンガッフッフッ!


【中学生のための『国家』入門の入門】
第1回「国家って、なんだろう」
第2回「国家と憲法はどういう関係なの?」
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」前半
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」後半

この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
[PR]
by asatte_no_houkou | 2006-06-23 00:59 | 国家・ナショナリズム・愛国心
中学生のための『国家』入門の入門 - 第1回「国家って、なんだろう」
a0029616_113315.jpg

■はい、みなさん、こんにちは。
今日はですね、国家の基礎の基礎について、わかりやすくお話したいと思います。

■さて、みなさんは、「国家とは何か」と聞かれて即座にその意義を答えることができるでしょうか?
答えられる人、手を挙げて。
う~ん、誰もいないようですね。
これは無理もありません。
国家の意義について、あまり学校の授業では教えてくれませんからね。

■これまで学校の授業で国家の意義について、きっちりと取り扱われなかったのは、おそらく学校の先生方の間にマルクス主義的な考えが席巻していたからではないでしょうか。
マルクス主義では、国家は、支配階級が労働者から搾取するための暴力装置であって、革命による階級闘争の成就の結果、死滅に向かうと考えられてきたわけですから・・・
要するに、国家は「悪」だから、いずれ廃絶されると。
【マルクス主義】
社会主義革命(労働者階級による独裁)→共産主義革命(生産力水準が上昇した暁に国家廃絶)

■そりゃね、インターネットの普及、経済のボーダレス化の点からすると、今のままの国民国家というものがこれからも先、100年、200年先も続いていくかどうかはわかりませんよ。
でも国家そのものが廃絶されることは未来永劫ありえないでしょう。

■だって、そうでしょう?
例えば犯罪が発生したとき、通常は被疑者をとっ捕まえて、起訴し、そして裁判で犯人を確定することになりますが、これは国家(統治機構としての国家)という合法的な実力装置があってこそ可能となるのです。

■また、私たちが生活をしていくためには、税金をどうするか、どこに橋をかけるか、福祉をどうするのかなど、国家の構成員全員を拘束する事項を決定する、誰もが「それならよし」と納得する正統的な決定手続きの存在が必要不可欠となりますが、これは国家というシステムなくして存立しえません。
国家廃絶などありえないのです。

■さて、「国家とは何か」ですが、通常はこのように国家は定義されます。
一定の限定された地域を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力を持つ統治権のもとに法的に組織されるようになった社会


■これを細かく分割しますと
1、領土
2、国民
3、統治権(主権)
との3つの要素となります。

■これら3つの要素から国家は成り立っているわけですね。
1については、まあ、いいでしょう。
今、日本では北方領土、尖閣諸島、竹島が話題になっていますね。
2の「国民」の意義についてはいろいろと争いがあるところですが、とりあえずここでは深入りしません。
当該国の国籍を有する者と考えておいてください。

■さて3の統治権ですが、これは立法権、行政権、司法権の総称です。
これは学校の授業で習いましたよね?
この統治権の行使は統治機構が担当します。
国会、内閣、裁判所ですね。

■ここで確認しておきたいのはですね、今まで縷々説明してきたことからわかる通り、国家と統治機構は同じものではないということです。
国家≠統治機構
この点をきっちりと理解しておかないと、話がこんがらがってしまいます。
きちんと区別してください。
統治機構は、国家の3要素である統治権を担う組織に過ぎません。
要するに、国家の構成要素の一つですね。

■国家をバスに喩えて説明しますと、国家がバスならば、統治機構は運転手です。
国民は乗客
運転手が乗客の言うことを無視するなら、取り替えればいい。
抵抗権ってやつですね。
まあ、その前に合法的な政権交代ってやつがありますが。
国家    ⇒ バス
統治機構 ⇒ バスの運転手
国民    ⇒ バスの乗客


■はい、というわけで、時間が来ましたので、今回はこれまで。
次回は、「国家と憲法はどういう関係なの?」というテーマでお話したいと思います。

【中学生のための『国家』入門の入門】
第1回「国家って、なんだろう」
第2回「国家と憲法はどういう関係なの?」
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」前半
第3回「ナショナリズムって、なんだろう?」後半

この記事が面白かった/興味深かったと思った方は→人気blogランキングへ
[PR]
by asatte_no_houkou | 2006-06-19 01:24 | 国家・ナショナリズム・愛国心
「保守」って、なんだろう? - 変わらないために変わる
a0029616_0242711.jpg

小沢一郎が、民主党代表選挙の際に語った言葉。
「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」
同じことを小沢は、『語る』(文藝春秋)という本でも書いています。
私はいま次の言葉を思い出す。
青年時代に見た映画『山猫』のクライマックスの台詞である。
イタリア統一革命に身を投じた青年が、自分たちを支援してくれている伯父でもある名門の公爵に「あなたのような方がなぜ革命軍を支援するのか」とたずねた。
バート・ランカスターの扮する老貴族は静かに答えた。
「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない(We must change to remain the same.)」
実に逆説的な真理である。
人類の歴史上、長期にわたって繁栄を維持した国は、例外なく自己改革の努力を怠らなかった。
そのことを肝に銘じて、うまずたゆまず「改革」に取り組んでいきたい。

■本来の「保守」の意義を端的に示した名文だと思います。
ジャーナリストの櫻井よしこも、似たようなことを言っています。

この続きも読んでね♥(ここをクリック)
[PR]
by asatte_no_houkou | 2006-06-11 00:32 | 社会の時間
中国は資本主義なのか - 中国に「契約」なし
a0029616_12191750.jpg

<W杯チケット>「ツアー代金返して」マックス社に殺到
サッカー・ワールドカップ(W杯)のチケットで再びトラブルが起きた。31日明らかになった東京都内の旅行会社によるチケット付きツアーの突然の中止。「プラチナチケット」と呼ばれ、入手困難なための宿命なのか。開幕まであと8日に迫り、8年前の悪夢がよみがえる。【永井大介】
・・・省略・・・マ社によると、募集したツアーは、日程や観戦試合数などの組み合わせで26種類。中国国際体育旅游公司からチケットを入手予定だったが、30日夕方までに連絡が取れず、入手は困難と判断し、すべてのツアーのキャンセルを決めたという。決定した時点で、1080人分1200枚が申し込んだ状態だった。

■当該社会に資本主義が成立しているかどうか。
これを判断するための要素には、いくつかのものがあります。
契約の絶対性は、その一つ。

■契約の絶対性とは要するに、「契約は必ず文面どおりに履行されなければならない」という意味です。
契約は、人間関係とか社会の変動から独立している。
契約当事者の仲が悪くなろうが、世の中の景気が悪くなろうが、関係あらへん。
契約書通りにきちんと履行しなければならない(不履行の場合は損害賠償責任を負うのみならず社会的責任を負わされる)。
これが契約の絶対性です。

この続きも読んでね♥(ここをクリック)
[PR]
by asatte_no_houkou | 2006-06-04 12:40 | 国際社会を生き抜く