
先生、お久しぶりです。

おう!元気か?

はい、元気です。先生は?

元気にしてるぜ。

ところで先生、最近やたらと外交問題が話題になっていますね。

そうだな。

そもそも外交って、何ですかね?

教科書的に言えば、外交とは、国が互いに対立する国益を主張しあって、両国の国益を調整していくことだな。

その「調整」の先にあるのが、条約などの契約ですね。

そうだ。一旦、両国の間で契約が成立してしまえば、これが規範になって厳重に双方を束縛する。だから、よりよき契約を目指して、双方、腕を振るってしのぎを削るわけだ。

自国にとって利益になる反応(理解や動機づけ)を相手国から引き出すため、押したり引いたり駆け引きを繰り返すわけですね。

よく「言うべきことを言うべきだ!!」とか「毅然とした態度をとるべきだ!!」と言う人がいるな。

最近はそういう人が増えています。

確かに、場合によっては、言うべきことを言って、毅然とした態度をとる必要があるだろう。

そうですね。毅然とした対応が必要な場合もあるでしょうね。

しかし、それは相手国から必要な反応を引き出すための手段に過ぎないということを忘れてはいけない。

毅然とした態度をとった結果、相手から必要な反応を引き出せなくなるというケースもあるでしょうね。

そうだ。そのようなケースは、柔軟な対応をすべきだな。

でも、そんなことをしたら、国民に「政府は弱腰だ!!言うべきことを言え!!」と批判されますね。

そうだろうな。国民というのは、えてして感情的になりがちだ。政府よりも過激になりやすいものだ。

中東ではハマスとかヒズボラとか過激な組織が民衆の支持を受けていますね。

そうだな。日本でも昔、日比谷焼き討ち事件というのがあった。冷静に利害計算したら、ポーツマス条約を受け入れるしかなかったのに。

マスコミもひどい。

マスコミは商売だから、読者や視聴者に媚びてセンセーショナルな記事を書く傾向がある。

そうですね。

まあ、それはともかく、そういった感情やルサンチマンに引きずられて外交が形成されることは、とてもまずいことだ。そんなことでは国益、ひいては子々孫々の繁栄が害されるといってよい。

「相手になめられないように」みたいな感情論で外交をしてはいけないということですね。

別に、チンピラのケンカじゃないんだから、なめられてもかまわん。気持ちをスッキリさせることが外交の目的ではないんだからな。

「毅然とした態度をとったから、相手になめられなかったぜ。でも、相手からしかるべき反応を引き出せなかったぜ。」では、外交は失敗ですもんね。

そうだ。戦略的に相手国の譲歩を引き出す。これができなかったら、たとえなめられなかったとしても外交は失敗なんだ。

何が国益になるかを徹底的に利得計算、貸借対照して考え、冷静に戦略的に振舞う必要がありますね。

思考停止にならないことが必要だな。

そうですね。

繰り返すが、外交とは、自国にとって得になる反応を相手国から引き出して、よりよき契約に達するためのかけひき・取引のことだ。言いたいことを言うことではない。それを忘れないことだな。