2012年2月に起こったニュース5つについて、Wタコちゃんが話をしているよ。
大飯原発ストレステスト

大飯原発3、4号機のストレステストの第一次評価が行われたね。「妥当」とする審査書が提出された。「大飯原発は安全だ」というお墨付きを与えたわけだね。

どこがお墨付きを与えたの?

保安院だよ。

え?今まで原発推進官庁の経産省と一体となって安全神話を流してきた保安院?

そうだよ。

悪い冗談というしかないね(笑)

専門家を招いて意見聴取会が行われたんだけど形骸化されたものだった。セレモニーみたいなもん。

反対意見みたいなものはなかったの?

いや、何人かの専門家から鋭い質問が投げかけられたよ。ところが梨のつぶて。保安院は質問にまともに答えようとしないんだ。

はあ?それで「妥当」と判断しちゃったわけ?

うん。例えば、津波を避けるために非常用電源を高台に移そうとしているんだけど、となると地震で配電が切断される危険が生じるよね。その点について質問が出た。

ほう。まあ、当然、切断してしまうんじゃないかと心配になるよね。

ところがだよ。保安院は答えないんだ。黙ったまま。

は?こんなんで「妥当」と言われても信頼できないよね。

要するに私たち国民は保安院になめられてるんだよ。「国民なんてバカだから簡単に情報操作できるよ」ってね。

ひどい話だね。
休眠口座

休眠口座って知ってる?

ああ、長らくお金の出し入れがなくて預金者との連絡も取れない口座のことだね。

うん、そう。10年以上ほったらかしの口座のこと。休眠口座に預金されているお金のことを休眠預金って言う。

なるほど。

この前、政府は「この休眠口座を社会のために活用しようよ」って提案したんだ。

え?!勝手に個人のお金を活用しちゃうの? そりゃダメだよ。泥棒じゃないか!

でも今でも休眠預金は銀行の収入になっているんだよ。銀行の懐に入っているんだ。

え?そうなの? 知らなかった。

銀行は「いつ来ていただいてもお返ししますよ」って言ってるけど、現実には取りに来る人はほとんどいない。銀行が丸儲けしてるんだ。

なるほど、それだったら社会のために活用すべきだね。銀行に儲けさせる必要はないもんね。

政府はベンチャー企業やNPOの支援に活用しようと考えているようなんだ。

いいね。

価値観が多様化した今の社会では個人のニーズも多種多様になるけど、行政がそれにきめ細かに対応するのは難しい。しかも行政は時間が掛かかるよね。だから企業やNPOに社会貢献的な活動をしてもらう必要がある。

なるほど、そのための資金として休眠口座のお金を活用しようというわけだね。いいね!
事実上のインフレ目標

ようやくインフレ目標の導入を日銀が決めたね。良かった、良かった。

ちょ、ちょっと待ってよ。あんなのインフレ目標とは言わないよ。「事実上の」ってところを読み飛ばしちゃダメだよ。似て非なるものなんだから。

え?そうなの?

本来のインフレ目標とは、何らかの法律を定めて政府が目標を決め、その達成について中央銀行が責任を持つものをいうんだ。今回の「事実上の」インフレ目標は政府が目標を定めたわけではないし、日銀が責任を持つわけでもない。達成時期もよくわからん。あんなんじゃダメだよ。

あら、そうなんだ。まったく効果がないの?

いや、まったく効果がないとまでは言わない。実際、円安になったし株価が上がった。でも十分じゃないよね。

今回、日銀は1%という目標を定めたよね?これでは足りないという議論があるよね?

うん、そう、足りないと思う。2%にすべきだと思う。それと注意しなくちゃいけないことがある。それは日銀は「目途」という言葉を使っている点。

どういうこと?

簡単に言えば「1%を達成できなくても責任を負いませんよ」と言うわけ。あくまで「目途」にすぎないからね。

官僚の特性である責任逃れ?

そのとおり。「目途」ではなく、イギリスの中央銀行みたいに「ターゲット」という表現を用いて、設定した物価水準について日銀が責任を持つようにすべきだと思うよ。

なるほど。
エルピーダメモリ破綻

エルピーダメモリが破綻したね。驚いたよ。

まぁ、でも早晩、破綻すると思ってたよ。この円高じゃ新興国に勝てないもん。

品質的なそれほど変わらないんだったら、安い価格の半導体を使うのは当たり前だよね。日本の企業は円高で3割ぐらいのハンディを背負っていると言われているから仕方がない。円高が致命的になっちゃった。

製造業が日本のお家芸と言われていたことからすると残念だね。

うん、そうだけど、グローバル化した現在ではそんな状態が長く続くわけがない。新興国が必ず追いついてくるよ。

まぁ、そうだね。人件費などのコストを考えても新興国のほうが有利だしね。

日本としてはこれから産業構造を転換しないとダメだよ。いつまでも過去の産業領域に固執していてはダメ。改革しなきゃ。

経済界は反対するだろうね。経済界の意を受けた政治家や官僚も。

うん、だからまずはインフレターゲットを導入してデフレ脱却、円安誘導をし、民間企業が新しい産業領域にチャレンジしやすい環境を作る必要があると思うよ。

アップルみたいな新しい価値を発信できる企業が日本にも欲しいね。
沖縄防衛局長「有権者リスト」「講話」

沖縄防衛局長が職員に「講話」をしていたことが問題になったね。

防衛局長が職員に対して特定の候補者に投票するように促していたのではないかという問題だね。自衛隊員に求められている政治的中立性に反しているのではないかと。

でも結局、「特定候補への投票を促したのではなく選挙に行くように促しただけ」と、うやむやになっちゃった。

これってさぁ、普通、特定候補者に投票するよう職員に促したい場合、直接、「○○候補に投票しろ」って言うわけないよね。そんなのバカじゃん。

うん、そうだね。何となく社会的文脈を示唆しながらうまく職員に意図を伝えようとするよ。その場にいた人が「防衛局長さんは○○候補に投票を促す意図で話をしているんだろうな」と感じるような。

例えばさぁ、恐喝のプロは「俺の言うとおりしないと、家に火をつけるぞ!」みたいに直接的な言葉を使わないよ。「出火お見舞い申し上げます」みたいな言葉を使って脅す。これと同じことだよ。

現場にいた人がどう感じたのか調べる必要があるよね。

この問題にはもう一つ問題点があるよね。それは宜野湾市在住の有権者を親族に持つ職員を抽出して親族の情報を収集していたという問題だね。

うん、これは明らかに個人情報の目的外利用だ。個人情報保護法に違反している。

百歩譲って、宜野湾市在住の職員の情報を集めたことは目的内の利用といえるかもしれない。具体的には防衛設置法33条の「教育訓練」という目的の範囲内ね。でも親族の情報はどう考えても目的外の利用だ。

でも、結局、うやむやになってる。なんなのこれ?(笑)