![]() ■政治評論家の屋山太郎さんの講演会に行ってきた。 テレビタックルなどに、たまに出演されているのでご存知の方も多いと思う。 白髪頭の、気の良さそうなオッサンである。 ■私が屋山さんのことを知ったのは、10年ぐらい前だろうか。 「THE 21」という雑誌があるのだが、この雑誌に屋山さんの連載が掲載されていた。 毎回、屋山さんは、小難しい政策の内容をわかりやすく説明してくださるので、この連載は大変貴重な存在であった。 ■さて今回の講演のお題。 それは『今後の日本の政局』である。 おお!これは面白そうじゃないか! ■ユーモアを交え、たまには辛口の言葉を発する屋山さん。 小泉総理のことを 「単細胞」と評していた。 ■一方、岡田前代表のことは 「ナスビみたいな顔」と評していた。 屋山さんの辛口の批評に、会場は笑いに包まれていた。 ■予定では1時間30分の講演だったのだが、終わってみれば2時間に及ぶものとなった。 でも屋山さんの話される内容はとても面白いものでぐいぐい引き込まれる内容であったので、全く飽きなかった。(でも、前に座ってたバーコード頭のオッサンは、コクリコクリと居眠りをしていた) ■さて講演の内容であるが・・・(ちょっと長いけど面白いので最後まで読んでね♥) ①郵政民営化の必要 【私の感想】 ■郵政改革が行革、財政構造改革につながることは話をされたが、なぜ年金改革にもつながるのかは話されなかったように思う。 ■民営化されても財投債が買われる可能性が高いので、結局は特殊法人に金が流れるのではないだろうか? ■特殊法人改革の多くが「看板の架け替え」に終わっており、「入り口」だけでなく「出口」の改革もしっかりと残りの任期でやってほしい。 ■持ち株会社が、貯金会社と保険会社の株の買戻しをする可能性が高い。結局、骨抜きの改革になるのではなかろうか。「郵政民営化の権化」である小泉さんが首相を辞めれば、「3年後の見直し」ごとに骨が抜かれていくように感じるが、どうだろうか。 ②自民党圧勝の勝因 【私の感想】 ■たしかに、今まで全会一致が慣行であった自民党総務会が多数決で採決がなされ、「ムラ社会」からの脱却が図られた。 ■さらに大樹会との決別、候補者を公募などにより、利権体制からの脱却が図られたと言えると思う。 ■しかし利権は郵政だけではない。自民党内には厚生族、建設族、農林族など多くの利権政治家がいる。現時点では、これらの利権がどうなるのかわからない。 ③民主党の敗因 【私の感想】 ■テレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」で小沢一郎さんも屋山さんと同じことを言っていた。「労組は口と人を出すな。応援だけに徹してろ」と。 ■屋山さんは前原氏を高く評価しているようだった。 ■このブログで何度か書いたとおり、日本はイギリスの二大政党制を手本にするべきだと思う。イギリスでは、新自由主義政策(サッチャリズム)を掲げる保守党と、「第三の道」政策を掲げる労働党の二大政党制だ。現在は労働党(ブレア政権)が政権を担っている。 ■自民党は保守党、民主党は労働党をお手本にするべきである。 自民党(新自由主義)VS民主党(第三の道) ④日中経済はどう展開するか 【私の感想】 ■屋山さんは中国に対して手厳しかった。「馬鹿」発言を連発されていた。中国の反日的な行動を考えれば無理もないだろう。 ■良くも悪くも21世紀は中国が「世界の主役」に躍り出る。日本はいかに対応するべきか。難問である。 ■政治学者・経済学者の小室直樹さんは、「中国には近代資本主義を支えるエートス(行動様式)が欠ける」と主張されている(例えば、「契約」の概念がない)。てっちゃん(宮崎哲弥さん)も言っているが、資本主義の精神が欠ける中国は、日本にとって案外と恐るに足りない存在なのかもしれない。 ⑤「東アジア共同体」構想は中国覇権への道 【私の感想】 ■このブログにおいて何度か「東アジア共同体の形成を日本は模索するべきだ」と書いた。しかし今回のお話を聞いてみて、再考の必要性を感じた。 ■岡田民主党は明らかに「東アジア共同体」路線を志向していたが、前原民主党はどちらかと言うと、「海洋国家連合」の形成に移行するのではないか。 ■それは前原氏のこの発言から窺える。 「共産党一党独裁で、経済は改革開放の市場経済という矛盾は早晩表面化し、その際に起こる社会変動は、日本にも大きな影響を与えずにはおかないでしょう。・・・省略・・・中国が食料、エネルギーの確保のために、より覇権主義的な傾きを見せる可能性は高いのです。もう一つ、中国経済の発展が自然環境に及ぼす影響も無視できない。・・・省略・・・周辺に位置する国としてはこれも頭の痛い問題です。・・・省略・・・中国を国際ルールに従わせるための戦略を、我々は常に意識していなければならないのです。」 「石破さんは・・・省略・・・尖閣や日本のEEZ(排他的経済水域)問題もあって南方重視に転換していった。・・・省略・・・これは実に見識ある決断だったと思います。・・・省略・・・ただ、一部のマスコミから「中国を刺激する」と批判されたりもしましたが、尖閣への侵犯、EEZへの侵入等々、刺激してきているのは中国の側ですからね。」■前原氏がこの考え方を民主党の外交政策に反映させるつもりであるならば、自民党と民主党は、外交政策の面においては違いがほとんどなくなるように思う。 ■これは一見、良くないことのように感じるが、政権交代ごとに国の外交政策の根本がコロコロコロと変わることは国際的な安定性の観点から妥当でないように思う。私たちは歓迎するべきことなのかもしれない。 ■おそらく日本人の多くは「東アジア共同体」よりも「海洋国家連合」の形成の方を望んでいるのではないだろうか。 【今後の自民・民主両党のあるべき姿】 ・外交政策の面では自民・民主両党の見解はある程度一致させる ・内政問題を両党の対立軸とする(「新自由主義」と「第三の道」) 人気blogランキングへ 【前原誠司 民主党代表就任記念】前原誠司関連本
by asatte_no_houkou
| 2005-09-18 00:57
| 政治・経済に一言
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