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生き埋め殺人 - なぜ止められなかったのか
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生き埋め殺人で死刑を求刑 「人間の所業でない」と検察-東大阪リンチ殺人
大学生ら2人を生き埋めにして殺害したとして、殺人や暴力行為法違反などの罪に問われた主犯格の無職小林竜司被告(22)ら4人の公判が27日、大阪地裁(和田真裁判長)であり、検察側は「血の通った人間の所業ではない」と小林被告に死刑を求刑した。
弁護側は死刑回避を求め、小林被告が「申し訳ないとしか言いようがない」と述べて結審した。
論告で検察側は「暴行の執拗性、残虐性には戦慄を覚える。被告らからは一片の人間性も見いだせない」と非難。更生可能性が乏しいことや遺族や被害者の処罰感情が厳しい点にも言及した。
起訴状などによると、被告らは昨年6月19日、東大阪大生藤本翔士さん=当時(21)、無職岩上哲也さん=同(21)=らを岡山県内に誘い出して仲間と集団で暴行。産廃集積場で藤本さんを生き埋めにして殺害し、小林被告は翌20日、岩上さんも同様に殺害した。(共同通信)

■簡単にこの事件の概略を書きますと・・・

■この事件は女性を巡るトラブルが発端となっています。
加害者の一人(徳満)が、被害者の彼女にメールを送った。
それに激怒した被害者が、加害者(徳満と佐藤)に対して暴行を加え監禁をしたうえ慰謝料を請求(恐喝)した(その際、暴力団の名前を口にした)。

■加害者側の2人(徳満と佐藤)は、仲間(小林、広畑など)に相談。
被害者3人を岡山におびき出して暴行を加えることにした。

■加害者9人は1人を生き埋めにし、1人を解放した。
その後、加害者2人(小林と少年D)はさらに被害者1人を生き埋めにした(暴力団関係者の岡田の指示といわれている)。
こういう事件です。

■この事件には少年3人が関わっているんですよね。
うち2人(MとO)は被害者Fさん殺害のみに関わっただけであり、しかも加功の態様が消極的なもの(武器の供与と見張り)であったことから少年院送致となりました。

■もう一人の少年Dは、FさんとIさんの殺害に関わり、しかも積極的な態様で加功していたので逆送
「積極的な態様」というのは、具体的には特殊警棒などで殴ったり、ユンボで穴を掘り被害者を生き埋めにしたということです。
3月26日、少年Dに対して無期懲役が求刑されました。(注4)

3月27日、小林竜司、徳満優多、佐藤勇樹、佐山大志の論告求刑公判が行われました。(注1)(注2)
4人とも頭は丸刈り。
服装は皆、黒っぽいセーターに黒っぽいズボンで入廷してきました。
検察側は、小林には死刑、徳満と佐藤には懲役18年、佐山には懲役15年が求刑しました。

■小林に対する死刑求刑は当然にしても(注3)、徳満、佐藤、佐山に対する求刑は少し重いのではないかと感じました。
彼らは小林や広畑に言われるがままに行動した面があり、殺害行為への関与の程度は比較的小さいようです。

■特に徳満は、小林に暴行を受け、一時、車のトランクに閉じ込められています。
徳満に関しては被害者の側面もあったのではないかと思われます。
佐山についても関与の態様は主に見張り役であり、幇助犯にすぎないのではないか思われます。

■まあ、いずれにしても思うことは、「どうしてこんなに短絡的な行動をしてしまったんだろう?」ってことですね。
どのような隠滅工作をしてもいずれ事件は明るみになって捕まることは容易に推測できたのに。

■リーダー格の人間が他のメンバーに対して力を誇示する(なめられない)ためにあえて過激な提案をする。
それが全体への同調圧力となり、他のメンバーが異議を唱えにくくなる。
集団犯罪においてよくある構図ですが、この事件でもこういう構図が見られたのでしょうか。

■加害者の2人は被害者から恐喝を受けたとき、警察に被害届を出しているんですよね(後日、取り下げる)。
だったら警察に全てを任せればよかったのに。
なんで殺害にまで及んでしまったんだ(広畑が主導的な役割をしたようですが(争いあり))。
なんとも残念です。

■小林に対する判決公判は5月22日午前10時(注5)
徳満、佐藤、佐山に対する判決公判は5月31日午前10時
いずれも大阪地裁で行われます。


(注1)27日は、午前に加害者の両親が情状証人として証言をし、午後からは被害者の両親が意見陳述をしました。
聞いていて、かなり気が重たくなりました・・・
被害者側と加害者側を同列に論じるのは不適切かもしれませんが、被害者のご両親はもちろん加害者のご両親にとっても、自分の息子がこのような凶悪な事件に関与するなんて夢にも思っていなかったはずであり、大変に悲痛な思いをされていると思います。

(注2)加害者の両親に対して検事が「被害者の遺体が写った写真を見る気はないか」と執拗に質問していました。
見ることを拒否する両親の姿を裁判官に見せることにより、監視能力(出所後に更生に向けて監視をする能力)の欠如を印象付けようとしているのでしょうが、少々やり過ぎな感じがしました。

(注3)ただし判決としては無期懲役が相当だと思います。

(注4)懲役15年の判決が言い渡されました。

(注5)死刑判決が言い渡されました。私は重過ぎると思います。

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by asatte_no_houkou | 2007-03-28 01:35 | 犯罪・刑罰・裁判
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