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安倍晋三首相が辞任 - 政治家に必要な能力とは何だろう?
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『君主論』はじめ、マキャヴェッリの著作を展望して、福田歓一教授は要約する。
「人間社会についてフォーチュナを制約するヴィルトウは君主の力であり」、そして「変化する状況への適応能力である」
これが政治家、特に君主にとって一番大切な能力である。
これを、徳(ヴィルトウ)と呼ぶ。
この君主の徳を、田中角栄は、「方針をキチンと示す」ことであると表現する。
政治家の徳の中で、とりわけ重要な徳は、官僚を駆使する能力である。
役人を自由自在に使いこなす能力である。
(小室直樹著『田中角栄の遺言』)

■前に、「たかじんのそこまで言って委員会」って番組で、弁護士の橋下徹とGLAMOROUS編集長の藤谷英志との間で論争になったことがありました。
橋下徹の主張
「政治家の善し悪しを判断する要素は政策の内容だけである」

藤谷英志の主張
「頭の良さも考えなくちゃいけない」

■さて、どちらの言い分が正しいでしょうか。



藤谷の言う「頭の良さ」ってのが、「官僚を駆使する能力」を意味するのならば、この論争は藤谷のほうが正しいと僕は思います。
だって政策の内容がいくら良くたって、それが具体化され実現化できないと全く意味がありませんからね。

■官僚ってのは、優秀な人間コンピューターなんです。
官僚は、変化する状況に対応する能力はあまりないと言われています。
でも、与えられた不変の状況下において事務を処理する能力は格段に高い。

■政治家が、良い政策を具現化するためには、この人間コンピューターたる官僚を自由自在に使いこなさなければなりません。
官僚を駆使する能力が、政治家には必要なんですね。
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■さて安倍首相。
先日、突然、辞任を表明しました。
辞任の理由は、いろいろと言われています。
健康不安だとか、カルト宗教との密接な関わり(注3)だとか、相続税の脱税(注4)だとか・・・(注5)

■まあ、辞任理由はともかくとして、安倍晋三にはこの「官僚を駆使する能力」がなかったように思います。
藤谷の言葉を借りれば、「安倍晋三は頭が悪い」ってことです。
というのも安倍晋三は官僚を操るどころか、逆に官僚に操られていたみたいなんです。

■この点は上杉隆(注1)という人が書いた『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』という本に詳しく載っています。
この本によれば、小泉時代の「官邸主導」の政治が、安倍が首相になって「官僚主導」に戻ってしまったようです(注6)

■要するに、安倍には、首相として必要な徳(ヴィルトウ)がなかったということでしょうね(注2)
国民の立場からすると、徳(ヴィルトウ)のない首相の辞任は歓迎するべきことだと思います。

(注1)9月14日放送の「ムーブ」に出演。
(注2)もちろん安倍首相には国民投票法の制定や防衛庁の省昇格などの功績もあります。この点は適切に評価するべきだと思います。
(注3)安倍首相の父親である安倍晋太郎氏の政治団体に晋太郎氏の個人資産が寄付され、晋太郎氏死亡後、安倍首相がその政治団体を受け継ぐ・・・という形で脱税が行われた模様です。
(注4)慧光塾という宗教団体の教祖の「霊視」によって人事を決めていたことが明らかになりました。
(注5)麻生太郎氏に「騙された」ことによる失望感が辞任表明の大きな引き金になったとも言われています。
(注6)安倍前総理は公務員改革をしようと努力しました。しかし力量不足だったために果たせませんでした。

安部晋三を辞任に追い込んだ地雷1/2(YouTube)
安部晋三を辞任に追い込んだ地雷2/2(YouTube)

上杉隆に聞く-官邸崩壊 安倍政権迷走の一年1of3(YouTube)
上杉隆に聞く-官邸崩壊 安倍政権迷走の一年1of3(YouTube)
上杉隆に聞く-官邸崩壊 安倍政権迷走の一年1of3(YouTube)

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by asatte_no_houkou | 2007-09-14 02:16 | 政治・経済に一言
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